さ行 | 説明 |
・10年保証制度 | 品確法に基づいて導入された制度で、基礎や柱・梁、壁、屋根などの住宅の骨組にかかわる基本構造部分と、雨漏りを防止する部分に不具合が生じた場合に、売主や施工会社が引き渡してから最低10年間は無償で修理することを義務づけたもの。この期間を特約で20年間に延長することもできる。正式には「新築住宅の瑕疵担保責任の特例」という。ハウスメーカーや不動産会社等が行うアフターサービスとしての長期保証との違いに注意。 |
・CFT構造 | 鋼管製の柱の中に高強度のコンクリートを充てんして、鉄骨梁と組みたてる構造のこと。CFTは「Concrete-Filled Steel Tube」の略。「コンクリート充てん管構造」「充てん形鋼管コンクリート構造」などと訳される。鋼管柱は角形と丸形がある。鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造に比べて柱の剛性が大きいため、部材の断面を縮小でき、空間の自由度と施工性にすぐれる。超高層ビルなどで採用される。 |
・CHS | 「Century Housing System(センチュリー・ハウジング・システム)」の頭文字を取ったもので、100年長持ちする住宅を目指したシステム。旧建設省(現国土交通省)が「住機能高度化推進プロジェクト」の一環として開発したもので、物理的・機能的に耐久性の高い住宅を供給するための、設計・生産・維持管理にわたるトータルな考え方に基づいている。(財)ベターリビングが認定している。戸建てとマンションがあり、個別認定とシステム認定がある。 |
・CMBS | 商業用不動産モーゲージ担保証券(Commercial Mortgage Backed Securities)。オフィスビルやショッピングセンターなど、非居住用不動産向けのノンリコースローン(非遡及型貸付債権)をプールして、それを担保に発行される証券のこと。償還リスクの度合いに応じていくつかのクラスに切り分けて(トランシュ)、デット型として証券化するのが一般的。しくみが複雑で投資の難易度は高い。 |
・CP-C錠認定制度 | ピッキングに強いシリンダー錠を公的に認定する制度。CP-Cは「Crime Prevention Cylinder」の略。警察庁の外郭団体である(財)全国防犯協会連合会が2000年から行っている。認定対象は、彫り込み錠、面付け錠の交換用シリンダー。基本性能(かぎ違い数、耐久性)、耐破壊性能、耐ピッキング性能などを評価する。有効期間は3年。認定を受けた製品には赤色系の「CP-Cマーク」がつく。 |
・CP錠認定制度 | 住宅の出入口の開き戸に付けられる錠前のうち、防犯性の高いものを公的に認定する制度。正式には「優良住宅用開きとびら錠等の型式認定制度」。CPは「Crime Prevention(防犯)」の略。警察庁の外郭団体である(財)全国防犯協会連合会が行う。認定対象は、彫り込み錠、面付け錠。基本性能、耐破壊性能、耐ピッキング性能などを評価する。有効期間は3年。認定を受けた製品には青色系の「CPマーク」がつく。 |
・SOHO | 「Small Office Home Office」の頭文字をとってSOHO。自宅や小規模なオフィスで、パソコンやインターネットなど情報機器を使いこなして仕事をするスタイル。企業に属しながら在宅勤務をするケースと、独立開業して1人から数人規模で仕事をするケースがある。大企業からSOHOへのアウトソーシング(外部委託)も進んでいる。また、経済産業省、厚生労働省、自治体などが各種SOHO支援策を取っている。 |
・心持ち材 | 天然木の製材品のうち、樹心(樹木の中心部)を含んでいる材のこと。樹心周辺を「心材」といい、特にスギやヒノキなどの針葉樹では中心が赤褐色になるため「赤身」と呼ぶ。腐りにくいため、土台や柱などの構造材には心持ち材がよく使われる。ただ、ひび割れが起きやすいのであらかじめ背割りを入れて使うことが多い。なお、樹心を含まない製材品は「心去り材」、また、心材に対して外側の部分を「辺材」あるいは「白太」という。 |
・サービサー | いわゆる債権回収専門業者のこと。債権の取り立て代行やそれに付随する業務を行う。元利返済金や賃貸料の集金、返済遅延金や未収金の回収などを行うことをサービシングという。ローンやクレジットの管理・回収を扱うマスター・サービサーと、回収難度の高い抵当流れの担保不動産や不良債権の調査から処理計画の作成までの実務全般を行うスペシャル・サービサーがある。業務を行うには、サービサー法に基づく認可が必要。 |
・サービサー法 | 債権回収会社(サービサー)制度の発足について定めた法律で、正式には「債権管理回収業に関する特別措置法」。法務省所管で、1999年2月に施行された。従来は、不法な団体による債権の強引な取り立てが行われてきた歴史的背景があるため、債権回収は弁護士にしか認められていなかった。サービサー法によって、一定の基準に基づいて法務大臣から許可を得た民間業者にも解禁されることになった。 |
・サービスアパートメント | ホテル並みのフロントサービスがついた超高級賃貸マンション。主に外資系企業の中長期出張をターゲットに都心部で供給されており、家具・家電製品や什器類が付属しているのが一般的。通常は最低1か月単位の定期借家契約を結ぶ。敷金・礼金はなく、宿泊料はホテルより安い。サービス内容は、水道光熱費、リネン交換、クリーニング、ハウスキーピング、朝食サービスなど。フィットネスジム、スパ施設などの附帯施設も利用できる。 |
・サービスルーム | 建基法の採光基準等を満たしていない居室以外の部屋で、通常は納屋として建築確認を受けているもの。多目的ルーム、スペアルーム、フリールーム等と表現されることも多い。 |
・サービスルーム | 間取りの表し方に「2LDK+S」といった表現が使われていることがある。この「S」がサービスルーム。建築基準法で居室の有効採光率が決められている。住宅の場合は「開口部(窓)の大きさが居室床面積の7分の1以上」。この規定よりも窓が小さいと居室として認められないので、サービスルームという。部屋の広さとは直接は関係ない。実際には独立した部屋として十分に使えても、採光がとりにくい。「納戸」表記のこともある。 |
・災害危険区域 | 地方自治体が建築基準法(第39条)に基づいて、津波・高潮・洪水などの風水害を受けやすい地域として指定したもので、この区域内では建築の禁止など一定の建築制限を行なえる。急傾斜地崩壊危険区域などが対象になる。なお、「津波」は地震などによる海底の隆起・沈降が原因で発生するもの。「高潮」は台風などによる気圧の急変によって港湾の潮位が以上に高まること。自治体によって津波被害履歴図などを作成・公開している。 |
・財形住宅融資 | 一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄のうち、最低どれか1つの貯蓄を1年以上続け、貯蓄残高が50万円以上ある人が借りられる公的融資。融資の種類は3つある。事業主=勤務先を通して雇用・能力開発機構から借りる財形転貸融資。共済組合などから公務員が借りる融資。この2つの融資が受けられない民間勤労者や公務員は、住宅金融公庫から直接借りられる(財形直接融資)。公庫との併用も可能。 |
・財形貯蓄 | 会社員が使える給料天引き式の貯蓄のこと。勤労者財産形成貯蓄の略称。勤務先の会社が金融機関と提携して、財形貯蓄の払い込みを代行する。一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の3種類がある。一定の条件を満たすと住宅資金(最高4000万円)、教育資金(最高450万円)の公的融資が受けられる。財形年金と財形住宅は、合計550万円までの元本に対する利子が非課税(郵便貯金や保険料などは385万円まで)。 |
・再建築不可 | 中古住宅などの既存の建築物のうち、建て替えや増改築のできない不動産については「再建築不可」「建築不可」と表示することが不動産公取協の表示規約で義務づけられている。たとえば、市街化調整区域の土地、接道義務(敷地が、4m以上の道路に幅2m以上接していなければならない)に違反している土地建物、既存不適格建築物など。実際には再建築不可にもかかわらず、その旨を表示していない「おとり広告」を出す業者もいるので注意が必要。 |
・財産評価基準 | 相続税や贈与税のかかる財産の課税価格を評価する場合に適用される基準値。毎年、国税局長等が決定して公示する。土地は、道路が整備されている市街化区域などでは「路線価図」、市街化調整区域などでは「評価倍率表」が用いられる。路線価の適用地域では、前面道路ごとに指定された単位当たり路線価に面積をかけて算出、倍率地域では固定資産税評価額に指定された倍率をかけて算出する。その他、立木、牛馬の標準価額もある。 |
・財政投融資 | 税金とは別に国の信用で集められた公的な資金を財源にして、国の政策を実行するために政府が投資したり、融資したりする資金のこと。国の予算の一部で、「財投」と略す。財源としては、従来は郵便貯金や年金積立金からの預託金が大半を占めていたが、平成13年度からの財投改革で郵貯や年金は自主運用に切り替わり、財投機関債などによって市場から調達する仕組みに変わった。また、財政投融資の貸出金利を「財投金利」という。 |
・最多価格帯 | 複数の物件が同時に分譲されるケースで、販売価格を100万円きざみで数えたときに一番数の多い価格帯を最多価格帯という。宅地や建売住宅、新築マンションを分譲するときの広告に出す価格は、1区画または1戸当たりの販売価格を表示することになっている。ただ、物件数が10件以上ある場合で、すべての価格を示すことが難しい場合は、最低価格と最高価格、最多価格帯とその物件数を示すよう規定されている(表示規約)。 |
・在宅サービス | 住み慣れた地域で生活しながら受けられる介護サービスのこと。デイサービス(日帰り介護、または通所介護)、ショートステイ(短期入所生活介護)、ホームヘルプサービス(訪問介護)が3本柱といわれる。この他に、かかりつけ医師の指示で行う訪問看護、医療機関に通ってリハビリを行うデイケア、特定のグループホームや有料老人ホームにおける介護などがあり、いずれも介護保険の給付対象になる居宅サービスに含まれる。 |
・サイディング | 建物の外壁に使う板のこと。「siding」を直訳すると「下見板」または「壁板」。「サイディング・ボード」ともいう。住宅では、石綿セメント板を基礎的な材料にして工場で加工された不燃外壁材を指すのが一般的。防火性能を高めるために木製板の代わりに採用する。セメント系のほかにアルミやスチールなどの金属系のサイディングもある。幅15cmから30cm程度で、横張りと縦張りがある。タイル張り風など種類も豊富。 |
・再売買の予約 | 売買した不動産を、もう一度逆方向で売買する予約をすること。予約をした売主は、買主に対して再売買の意思表示をすれば買主の承諾の有無にかかわらず売買を成立させる予約完結権を持つ。買戻し特約と似ているが、再売買時の金額や期間などの規定はなく、当事者同士の話し合いで決められる。ただ、買戻し特約のように所有権移転の付記登記はできないため、将来の所有権移転請求権の保全を理由とした仮登記を行う必要がある。 |
・再販物件 | 過去に一度分譲されたものの、販売不振など何らかの営業政策上の理由から販売を停止。その後、価格や仕様の見直しをしたうえで再び販売をする物件のこと。当初の売主から、別の不動産会社などが買い取って再販するのが一般的。「クリアランス物件」「新古マンション」ともいう。新築後数年以上たっている場合もあるが、一度でも入居者がいた中古とは区別される。新築でも中古でもないため、物件によって融資が付きにくいことも。 |
・在来工法 | 柱・梁・筋交い(柱と柱の間に斜めに入れる材)など、木の「軸」を組み立てて建物を支える日本の伝統的な工法。間取りに融通がきき、大きな開口部をつくれるのが特徴。ふすまや障子で仕切り、縁側に掃き出し窓を並べた和風住宅を思い浮かべるとわかりやすい。元来は木材にミゾを刻んでかみ合わせる職人技的な工法だが、最近は、あらかじめ工場で材木をカットしたり、材の接合部に金物を用いるなど、合理化や耐久性強化が進んでいる。 |
・先取特権 | ある債権者が、債務者の財産から、ほかの債権者に先だって優先的に弁済を受けられる権利。民法で定められた法定担保物権の1つ。たとえば、多数の債権者がいて、債務者のすべての財産を換金処分して債権額に応じて分配されるような場合に、先取特権を持っているものは一般債権者に分配される前に弁済を受けることが認められている。ただし、不動産の先取り特権は、登記しておかなければほかの債権者に対して優先権を主張できない。 |
・差押え | 国や自治体、裁判所などの公的機関によって、債務者が財産を処分することを禁止して、競売などによって換金できる状態にしておく手続き(将来の強制執行の保全)のこと。対象物が不動産の場合は登記簿に記載され、処分禁止の効力が発生する。裁判所の確定判決など、本差押えができる条件が満たされていない場合に、暫定的に押さえておくのが仮差押え。債権者の申し立てと一定の予納金を納めることで実行に移される。 |
・指し値 | 「差し値」が本当かも知れない。なにせ、辞書にも出ていない言葉なもんで
(^_^); 価格の値引き交渉をすること。ある売り物件に価格交渉が入った場合「指し値が入った」などといっています。 |
・査定価格 | 仲介会社が、売却依頼を受けた不動産の価格を簡易評価することを査定といい、おおむね3か月以内に売れると想定した「査定価格」を割り出す。売主に価格をアドバイスするときには根拠を示すことが宅建業法で義務づけられており、その根拠として不動産流通近代化センターの「価格査定マニュアル」などが使われる。周辺の類似事例と該当物件を比較して、その時の相場を加味して決める。不動産鑑定士による正式な鑑定評価とは違う。 |
・サニタリー | 室内の浴室や、洗面所、トイレなどの総称。「衛生的」という意味。 |
・サムターン | 室内側から錠の開け閉めを行うためのひねり金具。Thumb-turn。扉を締めた状態でサムターンのツマミを回すと、デッドボルトが錠面から繰り出し、ドア枠に取りつけた受け座の穴に入ることで、鍵を用いることなく戸締まりができるようになっている。戸の外側からは鍵で施解錠する。ドアのすき間やドリルで開けた穴から特殊な用具を差し込んでサムターンを不正に解錠して侵入窃盗をする手口を「サムターン回し」という。 |
・さや管ヘッダー工法 | 給排水管の点検やメンテナンスがしやすく、水漏れや赤水の発生がない給排水管工法の一つ。 |
・更地 | 宅地の有形的利用および権利関係の態様のひとつであり、都計法等の公法上の規制は受けるが、当該宅地に建物等の定着物がなく、かつ、借地権等の使用収益を制約する権利の付着していない宅地をいう。鑑定評価に当たっては、その宅地の最有効使用を前提としうる。 |
・更地 | 建物、構築物、工作物などが建っていない「まっさら」な状態の宅地のこと。また、借地権や地役権などの私法上の権利が付いておらず、購入後に自由に建築できる状態になっている(抵当権や建築基準法・都市計画法など公法上の制約があっても更地になる)。実際の不動産市場では、更地状態の売地は少ない。なお、私法上の権利が無くても、宅地の所有者が自己所有の建物を建てている場合は「建付地(たてつけち)」という。 |
・仕上げ表 | 内装・外装の仕上げをそれぞれ表にまとめたもの。外壁・屋根などの外装(外部仕上げ)については立面図や矩計図などで代用されることもある。内装については、室名を縦軸に、床・壁・天井などの項目を横軸にして表をつくる。これを「内部仕上げ表」と呼ぶ。各部の下地、仕上げ材料、塗装などの仕上げ方法の指示を記入するほか、幅木、回り縁そのほかの造作や付帯設備などを書き入れることもある。公庫の設計審査書類のひとつ。 |
・シーズヒーター | クッキングヒーターの一種で、ニクロム線の発熱体を絶縁体でくるみ、渦巻き状に成形したもの。天板からヒーター部分が出っ張る形になる。ヒーター部分が赤くなって発熱し、伝導熱と輻射熱で加熱調理を行う。熱の立ち上がりが遅く、温度調節がしにくいのが難点。また、スイッチを切っても冷めにくいので、余熱利用の調理ができる半面、安全面では注意が必要だ。比較的安価なために、単身者用のミニキッチンなどによく用いられる。 |
・シーリングライト | シーリング(ceiling)=天井に直付けするタイプの照明器具。多くは天井のほぼ中央に取り付け、部屋全体を照らすために用いる。日本の住宅に最もよく使われるタイプ。直接照明のほか、天井にも光を当てる半直接照明タイプも。また、ひとつのシーリングライトのなかに白熱灯と蛍光灯を組み込んだり、調光機能をもたせるなどして、だんらん、くつろぎ、食事などのシーン別に使い分けができるように工夫した器具も増えている。 |
・死因贈与 | 「自分が死んだら、この土地を贈与する」という約束、つまり贈与する人の死亡によって効力が発生する贈与契約をすること。形としては贈与になるが、相続税法上では相続で財産を受け継いだのと同じ扱いになり、贈与税ではなく相続税の対象になる。遺言書がなくても遺言と同じような効果を持つ。書面で行った通常の贈与契約は財産をもらった人の承諾がないと取り消せないが、死因贈与は遺言で取り消したり変更することはできる。 |
・時価 | 文字どおりの意味は、その時々の旬の市場価格を表す。不動産の世界でも、明らかな定義はない。ただ、税務上は「時価」を基に課税するのが原則になっている。この場合の時価は、不動産取得税や登録免許税、相続税などの場合は固定資産税評価額。譲渡所得税の場合には実際の市場における「正常価格」と解釈されている。正常価格は必ずしも実勢相場とは一致せず、不動産鑑定士などが公示地価を参考に適正と判断した価格。 |
・市街化区域 | 都市計画区域内ですでに市街地を形成している区域(既成市街地)と、線引きが行われた時点で以後10年以内に優先的に市街化を図るべきとされた地域を「市街化区域」という。同区域内では用途地域が定められ、道路・公園・下水道などのインフラを重点的に整備するとともに、土地区画整理事業や市街地再開発事業などが実施される。また、一定の開発行為には許可が必要。農地転用許可は不要で、農地委員会への届け出のみで転用可。 |
・市街化区域内農地 | 都市計画法で市街化を図るべき地域に指定された「市街化区域」にある農地。いわゆる「都市農地」。1991年に生産緑地法が改正され、市街化区域内農地は「宅地化する農地」と「保全する農地(生産緑地)」に分けられた。また三大都市圏の特定市の「宅地化する農地」(特定市街化区域農地)には、固定資産税・都市計画税の宅地並み課税が適用され、相続税の納税猶予・免除制度(長期営農継続農地制度)が廃止された。 |
・市街化調整区域 | 都市計画区域内のうち、市街化を抑制する地域に指定されているエリアを「市街化調整区域」という。原則として開発することは禁じられている。開発や農地転用にも許可が必要。建物は、農林漁業用など限られたものしか許されず、住宅は原則として建てられない。不動産公取協の表示規約では「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません」と16ポイント(約5.6mm)以上の文字で表示することが義務づけられている。 |
・市街地開発事業 | 一定の広がりのある地域を面的に開発する事業のこと。建物や施設を単体で建築するだけではなく、地方自治体、公団、第三セクター、地権者による組合などが事業主体になり、総合的な計画に基づいて、道路や公園などの公共施設と併せて宅地開発を行う。土地区画整理や市街地再開発など、8つの事業が都市計画法で定められており、さらに各事業ごとに根拠法がある。国や自治体の補助金が出る。事業化までに長期間かかるのが普通。 |
・市街地再開発事業 | 既存の建物や施設が集積している地域で、建築物を取り壊したり、修復・建て替えするなどして環境の改善を図ることを、一般に「再開発(Renewal)」という。そのうち、都市計画法と都市再開発法の規定にしたがって行う市街地開発事業が「市街地再開発事業」。道路や公園などの公共施設の整備が伴い、組合や公的セクターなどが担う。「権利変換方式」を使う第1種と、「収用方式」(管理処分方式)による第2種がある。 |
・直床工法 | マンションで、床スラブの上にカーペットやフローリングを直張りするタイプのこと。遮音性の面ではやや落ちるので、クッション性の高い床材が好ましい。また、水回り部分の床下には給排水管を這わせなければならないため、スラブに直張りはできない。住戸のスラブ全体が平らに打ってある場合、居室部分は直張りでも、水回り部分だけ二重床で10〜15cm高くなる。段差をなくすには、配管部分だけスラブを下げる必要がある。 |
・敷居 | 門の内外や部屋の区画をわける境の部分に敷いた横木のこと。古語の「閾(しきみ)」が由来。障子やふすまなどの建具を受ける溝を彫ったり、レールを付けて引き戸を滑らせる。敷居の磨耗防止と建具を滑りやすくするために溝にはめ込む部材を「埋め樫」、溝を彫らないものを「無目(むめ)敷居」という。敷居の上端は、和室の場合は畳の厚さにそろえ、廊下などの板面からは3cm程度あげる。バリアフリーの場合は段差を設けない。 |
・敷金 | 賃貸借契約で、借り手が家賃を滞納したり、部屋の造作を壊すなどした場合の損害賠償の支払いを担保するために、家主に対して預けるお金のこと。保証金と同じ性格だが、敷金としての相場は家賃の1〜3か月分。契約が終了した時、滞納や修理が必要な損害を与えないかぎり無利息で全額返還されるのが原則。部屋の改装費用を差し引いて返還する家主もいるが、常識的な使い方で経年変化した分の改装費まで借り手が負担する義務はない。 |
・敷地利用権 | マンションの敷地を利用できる権利を「敷地利用権」という。所有権と借地権があり、所有権の場合は持ち分の共有、借地権の場合は準共有になる。敷地利用権を専有部分の区分所有権と切り放して処分することは原則としてできない。また、専有部分と一体の権利として、敷地権の持ち分が登記簿の表題部に登記(表示登記)される。その後、マンションを売買するときには、専有部分の移転登記だけで済み、土地の登記は必要ない。 |
・地業 | 基礎構造のうち地盤に対して行う工事のこと。割ぐり地業や杭打ち地業などがある。「地形」とも書く。割ぐり地業は、根切り底(基礎底盤を敷くために土を掘削した一番深い部分)を突き固めた後に、割ぐり石(岩石を打ち割って作った小さい塊状の石材)の小径のほうを下にして敷きつめた上から砂利を撒いてさらに突き固めるもの。直接基礎の地業としては、もっとも一般的。杭打ち地業は、杭基礎の場合に杭を建て込む工事のこと。 |
・事業受託方式 | 土地活用の手法のひとつ。企画立案から管理・運営にかかわる事業を、デベロッパー、ハウスメーカー、コンサルタントなどが総合的に請け負う方式(一部受託もある)。資金調達方法はオーナーの自己資金や借入金。土地、建物の所有権はオーナーが持つ。賃貸運営のリスクを軽減するために、業者が一括借り上げをして入居者に転貸する「サブリース方式」を採用するケースが多い。委託する業者の実績や企画力によって成否が分かれる。 |
・自己資金 | 不動産の取得にかかわる資金の調達手段のひとつで、自分で用意することを自己資金という。そのほかの資金調達の手段は、金融機関からの借入金や不動産証券化などの場合の出資金がある。自己資金には、購入代金として使う頭金の他に、税金やローンにかかわる事務手数料、仲介手数料、保険料などの諸費用が含まれる。自己資金が多いほど借金の返済リスクも減るので、自己資金の割合をどうするかが資金計画を立てる時のポイントになる。 |
・自己破産 | ローンの借り手が自分で申し立てを行って破産宣告を求めること。多額の借金などを背負って支払いができなくなった人や会社を救済する法的に認められた制度。地方裁判所が審理をして免責決定が行われると、債務は免除される。自己破産しても選挙権を失うわけではなく、戸籍や住民票にも記載されない。ただ本籍地の市町村役場にある破産者名簿と公的な身分証明書、官報には記載され、消費者信用取引や就業先の制限が発生する。 |
・資産流動化法 | 不動産証券化などについて定めた法律。正式には「資産の流動化に関する法律」で2000年11月に施行。不良債権の処理を円滑に進めるために制定されたSPC法の制約を緩和して、証券化を柔軟にできるようにしたもので、改正SPC法ともいう。対象資産が財産権一般に拡大、同法に基づいて作るSPC=TMK(特定目的会社)の設立・運営に関する規定が簡素化された。また、SPT(特定目的信託)制度が新たに創設された。 |
・自主管理 | 管理会社に管理運営を任せる委託管理に対して、管理組合が自ら管理業務をこなす方式。設備の保守点検や清掃は専門業者と直接契約をし、管理員は住民が担当したり、管理組合が雇ったりする。管理組合のやる気と意識の高さが必要。上手くいけば管理費も安くできる。管理組合の実体がなく、管理会社にも委託していないために、結果として自主管理になっているマンション(特に小規模に多い)は、管理がずさんになっているケースが多い。 |
・地すべり | 地中にしみこんだ融雪水などの地下水が誘因になって、ゆるい斜面の広範囲の土がゆっくりとすべり落ちる現象。同じ場所で繰り返し発生する可能性がある。前兆現象があり、また動きがゆっくりしているので避難時間がとりやすく人命の被害は少ないが、道路・建物・ライフラインなどの被害が大きい。「地すべり等防止法」で危険な区域が指定されており、一定の切土や掘削、荷重をかけるときなどは都道府県知事の許可が必要。 |
・自然換気 | 換気扇など機械を使わずに、自然の力を利用して行う換気。「風力換気」と「温度差換気(重力換気)」がある。まず建物に風が吹き付けると、風上側から外気が侵入し、そのほかの壁面からは屋内空気が出ようとする。この風の圧力の差を利用したのが「風力換気」。もう一つは、屋内と外気との間に温度差がある時に空気に生じる浮力を利用したもの。給排気口を通さずに、意図しないすき間から空気がしみ出る「漏気」とは区別される。 |
・自走式駐車場 | 平置き式(平面)駐車場を、何層か重ねた形の駐車場。大型ショッピングセンターなどでは、鉄筋コンクリート製の4〜5階建てのタイプもあるが、マンションでは鉄骨ユニットの1層2段式が主流。2階部分に上がるための車路を確保する必要があるので、敷地にある程度の余裕が必要になる。また、建築物とみなされるため容積率の制限も受ける。中古マンションで管理組合が増設する時に採用されるケースもある。 |
・質権 | 債権者が担保のために引き渡しを受けた質を手元に留置して、弁済がない場合に、その質によって優先的に弁済を受ける権利のこと。担保物権の1つ。質権設定契約で成立する。約束を履行するための保証として、または借金のかたとして預けるものを「質」という。いわゆる質屋という大衆金融の担保形態として広く使われている。不動産の質権は、建物にかけた火災保険金請求権や、借地借家などの保証金返還請求権に設定する形が一般的。 |
・地鎮祭 | 工事を始める前に敷地を祓(はら)い鎮める祭事のこと。敷地の中ほどに四本の青竹、斎竹(いみだけ)を立ててしめ縄を張り、中央に祭壇を設けて神事を行う。施主、工事関係者が参会し、神主が儀式を進めるのが一般的。施主はお供物と神主への謝礼を用意する。お供物には野菜、果物、魚、酒、水、塩、米をそろえることもあるが、簡略化するケースも少なくない。謝礼の額は2〜5万円程度で、「初穂料」や「玉串料」と書いたのし袋に入れる。 |
・漆喰 | 消石灰に、のり、すさ(きざんだ麻など)を混ぜて水で練り合わせたもの。伝統的な和風住宅や土蔵造りなどの内外装仕上げに使う左官材料。通常は白色。漆喰に砂を混ぜて中塗り用に使うものを「砂漆喰」という。顔料を混ぜて着色した上塗り用の「色漆喰」もあり、伝統的な色は、浅黄漆喰、ネズミ漆喰、玉子漆喰、曙色漆喰、黒漆喰など。のりを入れずに塩焼消石灰に発酵させたわらを練り合わせて使う「土佐漆喰」は土佐地方独特のもの。 |
・シックスクール症候群 | シックハウス症候群の学校版。学校や保育園などの校舎や体育館の建材や塗料に含まれる有害な化学物質、校庭の樹木等への農薬散布、プールの塩素などによる影響で、化学物質過敏症やアレルギー症状にかかること。または原因となる学校環境を指す。授業の教材に使われる絵の具・ペン・墨汁、理科室の実験に使う薬剤、パソコン教室の機器から発する有害物質、電磁波なども問題になる。増改築や耐震改修などの際に発症する例も多い。 |
・シックハウス症候群 | 住宅の建材に含まれるホルムアルデヒドなどの有害な化学物質が原因で、目や喉の痛み、頭痛、吐き気、倦怠感などの体調不良や病気が起きる現象、またその症状のこと。人によって関節痛、自律神経失調症など症状は多様。カビやダニ、細菌などの微生物が原因になるアレルギーや感染症を含めるケースもある。欧米では「シックビルディング・シンドローム=Sick Building Syndrome(SBS)」として知られる。 |
・実施設計図 | 施工者に工事の内容・方法を指示するためにつくられる設計図書で、そのうち特に図面類または平面図を指すこともある。施主にとっては建築請負契約の裏付けとなる大切な書類。製図の尺度は2000分の1に始まって1000分の1、100分の1など、原寸まで13種類。実施設計では、平面図は通常50分の1、断面図では縮尺30分の1、さらに必要に応じて2分の1や実寸の部分詳細図など、より実物に近い尺度が使われる。 |
・実需 | 商品などを自分で利用する目的で求めること。「実際の需要」の略。住宅でいえば、自分が住むために購入することを意味する。これに対して、賃貸にして収益を得るため、つまり投資目的で購入することを「仮需」という。商品先物取引などでは、投資家に対して、原料を仕入れて加工するメーカーなどを「実需者」と呼ぶ。また、マーケティングでは、供給サイドの生産計画での需要予測に対して、現実の販売実績を実需ということもある。 |
・指定確認検査機関 | 国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けて、建築確認申請・検査業務を行う民間機関のこと。従来この業務は特定行政庁の建築主事のみが行ってきたが、1999年5月施行の改正建築基準法によって、民間機関の参入が認められた。確認検査機関の指定を受けるためには、一定以上の人数の確認検査員を有すること、役職員の構成やほかの業務内容によって確認・検査業務に公正を欠くおそれがない等の基準をクリアしていなくてはならない。 |
・指定住宅性能評価機関 | 日本住宅性能表示基準に従って客観的に住宅性能の評価を実施する第三者機関として、国土交通大臣から指定された組織。公的機関に限らず、民間企業の場合もある。評価の流れは、まず施工会社や不動産会社が1件10万〜20万円の評価料を支払い、指定住宅性能評価機関に性能評価を依頼する。同機関は、設計段階、施工段階、完成段階に計4〜5回の検査を実施。基準の項目ごとに性能ランクを示した住宅性能評価書を交付するしくみ。 |
・指定住宅紛争処理機関 | 品確法に基づく住宅性能評価書が交付された住宅をめぐって、消費者と業者との間でトラブルが起きた時、両者の間に立って紛争を速やかに解決するために設立された機関。各都道府県の弁護士会に「住宅紛争審査会」として設置され、建築士も登録。住宅紛争処理支援センターのサポートを受ける。同機関に申請料1万円を支払えば、あっせん・仲裁・調停等の措置を受けられる。裁判で多大な費用と時間をかけずにトラブルの解消につながる。 |
・自動車所要時間 | リゾート物件のように、最寄りの鉄道駅から現地までの距離が離れていてバス便も整備されていない場合は、自動車による所要時間を示すのが普通。「××駅より車○分(約○km)」などと表示。不動産公取協の表示規約では、自動車による所要時間は、実際に利用できる道路の距離を明記すること、走行に通常要する時間(制限速度以内)を表示すること、有料道路を通行する場合はその旨を明記することなどのルールが決められている。 |
・私道負担 | 不動産取引において、売買等の対象となる土地の一部に私道の敷地が含まれている場合に、この私道敷地部分を私道負担という。 私道には建基法42条の道路となる私道以外にも、通行地役権の目的となっているようなものを含む。 また私道について所有権や共有持分を持たずに、利用するための負担金を支払うことになっている場合や将来生じることになっている私道負担も私道に関する負担に含まれる。 宅建業法35条に規定する重要事項の説明では、宅建業者に対して、取引の際には前もって「私道に関する負担に関する事項」 を説明することが義務付けられている。 これは、私道負担のあることを知らないで取引をした購入者に対して、損害を与えないよう、あらかじめ私道の負担の内容を説明する義務を課したものである。 |
・私道負担 | 土地や一戸建てで前面道路が私道の場合、売買する時にその私道に関して何らかの負担がある場合をいう。通常は、土地の一部として私道が含まれるかどうかで表される。単独所有の場合は「私道負担20平方メートル」などと広さが出ており、周辺の所有者と共有の場合は「私道100平方メートル、持ち分5分の1」という具合に私道全体の面積と持ち分比率が出ている。また、取引対象の面積には含まれなくても、私道の通行料の負担があるケースもある。 |
・シニア住宅 | 公社や民間事業者が建設運営する高齢者向けの施設。公社では「ケア付き高齢者住宅」と呼ぶ。おおむね60歳以上の高齢者向けに、バリアフリー化した住宅、談話室や健康管理室などの施設、生活相談や家事など自立生活を支援するサービスを提供する。家賃の払い方は、入居時一時払い(終身利用権方式)、一時払い・月払い併用(賃貸方式)がある。国土交通省の所管。公社と民間事業者のシニア住宅は(財)高齢者住宅財団が認定。 |
・死に地 | 都市計画区域内では、建築物の敷地は、原則として道路に2m以上接しなければならないと決められています。(建築基準法43条1項)左のように道路に接する部分が2mに満たない場合、建築確認は取れません。早い話、建物が建たない土地なのです。 これを業界では「死に地」といっています。土地の有効活用から見ても、もったい話です。 所有者によっては無届けで建ててしまう強者もいます。 |
・地盤改良 | 軟弱地盤の支持力を増したり、沈下を抑えるために、セメント系の固化剤と土を混合・かくはんして固めることによって地盤自体の強度を高めること。代表的な手法には、建物の下部全面にわたって深さ1〜2mまでの土を固める「表層改良工法」と、2〜8m程度の深さまで円筒型に固めたものを数カ所入れる「柱状改良工法(深層かくはん混合工法・ソイルセメントコラム工法)」の2つがある。後者は超軟弱地盤のケースに採用される。 |
・地盤調査 | 地層の配列・分布、土の密度・固さなど、地盤の物理的・力学的・化学的な性質、地下水の状態に関して調査すること。調査の方法には、既存の文献・試料や地質図などを用いたり、現地を視察するなどして行う予備調査と、ボーリングや貫入試験などによって、建物の設計・施工に必要な個別の地盤情報を得るための本調査がある。住宅をはじめ建物を建築する際には不可欠な手続き。地盤調査によって適切な基礎構造などを決める。 |
・自筆証書遺言 | 遺言を残す人が自分で全文を書き、日付と氏名を署名して押印するもの。証人が不要で、遺言書を作ったことを秘密にしたまま手軽に作成できるというメリットがある。特別な費用もかからない。ただ、きちんと保管しておかないと見つからなかったり、紛失、偽造のおそれもある。遺言の内容に不満を持つ相続人が本人の自筆かどうか争いを起こす可能性もある。また、相続開始後に開封する場合は家庭裁判所の「検認」という手続きが必要。 |
・遮音等級 | 空気音と固体音を遮る能力の高さを「遮音性能」、そのレベルを表す指標を「遮音等級」という。空気音の遮音等級は、壁や窓の外側と内側でどれだけ音圧レベルの差があるかを意味する「D値」(Sound Pressure Level DifferenceのD)、固体音の床衝撃音の遮音等級は「L値」(Floor Impact Sound LevelのL)(重量床衝撃音は「LH」、軽量床衝撃音は「LL」)で表す。 |
・借地権 | 建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいう(借地借家法2条1号)。
借地権者は地代支払い等の義務を負うが、借地借家法は土地賃借権の登記(民法605条、不動産登記法1条)、
または地上権の登記がなくても地上建物に登記があれば、借地権の対抗力を認め、 その存続期間を定め(借地借家法3条)、契約の更新を広くみとめ(同法5〜7条)、
さらに借地権の譲渡や借地転貸の場合の借地権設定者の承諾に代わる裁判所の許可(同法19条)や借地権者の建物買収請求権(同法13条)等の制度を設け借地権を強化した。 借地権は、ひとつの財産権としての評価を受け、借地契約に当たっては、その割合の権利金が授受されることがある。 |
・借地権 | 建物の所有を目的に、地主から土地を借りて使用する権利のこと。借地権の契約期間は最低30年以上。借地人が更新を求めた場合、同一の条件で契約を更新しなければならず、更新後の契約期間は1度目が20年以上、2度目の更新以降は10年以上。地主が契約更新を拒絶できるのは正当事由がある場合のみ。定期借地権と区別するために普通借地権ということもある。また、借地権には、地上権と土地賃借権の2つの種類がある。 |
・借地権割合 | 土地の権利が借地権の場合に、更地の時価に対する借地権価格の割合を意味する。市場では、地価の高い地域ほど借地権割合も高くなり、相対的に底地評価が低くなる。商業地では8〜9割、住宅地では6〜7割程度の場合が多い。相続税評価では路線価の設定された地域ごとに借地権割合が設定されているので、目安を知るには路線価が有効。ただ、市場における借地権割合と税務上の借地権割合は必ずしも一致するとは限らない。 |
・借地借家法 | 借地や借家の権利関係、契約に関して定めた法律のこと。もともとは大正10(1921)年に借地法、借家法が独立した形で制定された。いずれも借り手側の保護に重点が置かれていた。特に正当事由制度によって過度に借り手が守られ、一度貸したら二度と戻らないという意識が生まれ、土地活用が進まないという議論が活発化。平成3(1991)年に借地法・借家法が廃止、定期借地権制度が盛り込まれた新借地借家法が誕生した。 |
・車庫 | 駐車スペースの呼び名にはさまざまあるが、不動産広告などで「車庫」と記載する場合は車を入れる「建物」を指す。車を置く場所だけなら「カースペース」と表記する。「ガレージ」は「車庫」と同じ意味あいで使われることが多く、住宅と一体化したものを「ビルトインガレージ」と呼ぶ。支柱と屋根がセットになった、さしかけ屋根式のエクステリア部材が「カーポート」。また、駐車スペース前の門扉を「カーゲート」と呼ぶこともある。 |
・シャンデリア | フランス語のchandelier=「ろうそく立て」から来た言葉で、複数のランプを用いた装飾的な照明器具を指す。チェーンなどでつり下げるタイプと直付けタイプに大別される。全体照明として使用されることが多いが、なかには、光の照射方向が上向きで天井面を照らすタイプもあり、演出性は高いが照明効果は低くなる。こうした場合はダウンライトやブラケットなどを併用して明るさを確保する必要が生じることもあるだろう。 |
・シャンプー・ドレッサー | ハンドシャワーが付き、洗髪もできる洗面化粧台。シャワーヘッドと蛇口が別に付いているものと、シャワーヘッドと蛇口を兼ねているものとがあり、洗髪がしやすいように洗面台が大きめに設計されている。 |
・収益還元法 | 欧米で主流になっている不動産鑑定評価の手法のひとつ。不動産の運用によって得られると期待される収益=賃料を基に価格を評価する方法。日本でも1991年と2002年に不動産鑑定評価基準が改正され積極的活用が明示された。年間の賃料(厳密には賃料から諸経費を控除した純収益)を還元利回りで割ることで収益価格を出す。還元利回りは、物件の種類や条件によって変わる。一般的住宅では5〜7%、事業用は8〜10%が目安。 |
・集会室 | もともとはマンションの管理組合や理事会のメンバーが、管理運営にかかわる会合を開く時などに利用する共用スペース。規模の小さいマンションでは独立した集会室を持つことは難しいが、管理組合の活動をするために公共施設などを別途借りる手間、費用がかかるので、できるだけ集会室はあったほうがいい。また、管理にかかわること以外に、住民の趣味や同好会などの活動場所として開放している多目的ルームのような形態のケースもある。 |
・臭気強度 | 臭いをもつ物質は約40万種あるといわれるが、人間は多数の物質が含まれた複合臭を感じるため、化学的に測定して分類するのが難しい。また、嗅覚には年齢・性別・健康状態・喫煙習慣の有無などによる個人差があり、温度や湿度などの外的状況にも左右される。そこで、臭気判定士などの専門家による嗅覚測定法(官能試験法)で測り、臭いの感じ方を6段階で示したものを「臭気強度」という。強度が3を超えると苦情が出やすい。 |
・臭気指数 | 人間の嗅覚によって臭いの程度を判定する嗅覚測定法(官能試験法)で、臭いの限界値を測った数値を指数化したもの。臭いのついた水や空気を、その臭いが感じられなくなるまで薄めた時の希釈倍数(臭気濃度)を求め、その対数を10倍した数値で表す。悪臭防止法に基づく規制に用いられ、多様な複合臭に対応できるため都市・生活型悪臭への苦情対策に有効な半面、臭いの原因物質を特定できないなどのデメリットがある。 |
・臭気判定士 | 臭気の程度を表す「臭気指数」を判定する専門職。1995年に悪臭防止法が改正され、悪臭物質の化学的測定に加えて、ヒトの感覚的な嗅覚を用いた測定法による臭気指数規制が取り入れられたことに伴ってつくられた国家資格(環境省所管)のひとつ。悪臭が発生した現場から空気や水などの試料を採取して臭いの強さを判定し、悪臭苦情などのトラブルに役立てることが主要な仕事。自治体から測定委託を受ける際の必要資格でもある。 |
・終身建物賃貸借 | 建物の賃貸借をするときに「借り主の死亡のときまで存続し、かつ、借り主が死亡したときに終了する」旨の特約をつける契約のこと。または、この契約を結ぶことができる事業のこと。住宅のバリアフリー化や前払い家賃の保全措置を講じるなど、一定の条件をクリアして都道府県知事の認可を得る必要がある。高齢者居住法で設けられた制度。賃料の支払い方は、毎月払い、月払いと一部前払い併用、全額一括前払いの3パターン。 |
・集成材 | 数cmの厚さに挽いた板を接着剤で何層も張り合わせて、角材のように加工したもの。英語では「Laminated Wood」。1本の樹木から切り出した製材に比べて、反りやねじれなどの誤差が少なく、強度も高い。大断面の柱や梁、湾曲した化粧梁など、従来の製材にはなかったタイプも出ている。張り合わせる1枚ごとの製材をラミナといい、その種類によって性能が変わる。以前は「挽き板積層材」「剥合せ材」ともいった。 |
・重説 | 「重要事項説明書」のこと。 関連用語「告知義務」宅地建物取引業者は、宅地建物取引業法第35条の規定に基づいて、宅地もしくは建物の売買、交換又は、貸借の当事者に対してその者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関した事項を説明しなければならない−−、ことになっている。契約の前に「まず初めに重要事項の説明をします」といって難解な説明を受けたことがあると思います。業法によると、1.契約までの間に 2.宅地建物取引主任者が 3.主任者証を提示して説明をしなくてはならないと定められています。説明する項目も業法で決まっていて、賃貸と売買では内容が変わります。 |
・自由設計型保険 | 保険の解約をせずに保障額や特約の内容を自由に見直せる保険。保険料を主契約のアカウント(保険口座)で積み立て、貯まった積立金で保障額を買い増しや特約の付加ができる。払い込み保険料の増減、積立金部分への余裕資金の投入や引き出しも可能。保険料払込期間満了後もアカウントは継続し、終身保険や年金などに移行できる。積立金部分は一定期間ごとに予定利率が見直されるため「利率変動型積立終身保険」とも呼ばれる。 |
・修繕積立基金 | 長期修繕計画に応じた適切な修繕積立金を割り出すと、標準的な70平方メートル程度のマンションで1戸当たり5000円〜6000円以上になる。毎月定期的に支払う費用を抑えるために、修繕積立金を管理費の1〜2割程度に設定しているケースも多いが、積立金額が少ないと計画修繕が上手く行かない。そこで積立金額を補うために、マンションを購入する時に一括で支払うのが「修繕積立基金」。20〜30万円程度のまとまった金額になるのが一般的。 |
・修繕積立金 | マンション等の区分所有建物を維持、保全していくためには、窓ガラスの破損取替え等の日常の小さな修繕以外に、一定年数ごとの計画的大規模修繕、災害等による不測の修理が必要になる。このような日常の小さな修繕以外の一時の多額の費用の支出に備えるために、毎月の管理費とは別に積み立てる資金が、修繕積立金である。通常、分譲マンションでは、あらかじめ分譲業者の方でこの修繕積立金の額の案を用意し、それを参考として管理組合で決める場合が多い。適正な修繕計画を立て、実施していくうえでは、積立額の見直しが必要になることもあろう。 |
・修繕積立金 | マンションの外壁塗り替えなど、共用部分の大規模修繕工事には、莫大な金額がかかる。1戸当たりに換算すると数十万円以上になる。これを一度に支払うのは大変なので、前もって少しずつ積み立てておくのが「修繕積立金」。長期修繕計画に則って、必要な費用を予測した上で適切な金額に設定するのが望ましい。管理費と一緒に毎月徴収するのが一般的。金額が少ない小規模な補修などについては管理費から充当するケースが多い。 |
・修繕特約 | 賃貸借契約の中に付帯的に盛り込まれることがある特約の一つ。入居中に生じた損耗や故障などについて、一定の範囲内の修繕を借主の負担にすることを定めたもの。本来、貸主の負担で修繕するべき経年変化や自然損耗についても特約に盛り込んでいる場合があるので注意が必要。一般に、畳表や襖の張り替えなどの小修繕までが借主の負担、壁紙やカーペットの張り替え・設備機器の交換などの借主に過失のない場合の大修繕は貸主の負担。 |
・住宅金融公庫融資 | もっとも幅広く利用できる公的融資の代表格。住宅金融公庫は国土交通省の外郭団体。融資対象は住宅建築、新築・中古住宅の購入、リフォームなどのマイホームや、一定のセカンドハウスを取得するための資金が中心。その他、不動産会社などが分譲住宅や宅地を開発する資金や、個人地主などが賃貸住宅経営をするための資金も融資している。低利の固定金利で長期返済ができることが特徴。融資条件は地域や建物の種類、規模によって変わる。 |
・住宅債券積立制度 | 住宅金融公庫が発行する住宅債券(10年物の割り引き債)を購入してマイホームの頭金などを積み立てる制度で、通称「つみたてくん」という。半年ごとに約20万円、約40万円、約60万を、最長5年間、11回にわたって継続的に積み立てるしくみ。7回以上積み立てると、公庫融資を受けるときに、積立金額の最高3倍の債券割増融資を利用できる。また「年間返済額の5倍以上の年収が必要」という公庫の収入基準が同4倍に緩和される。 |
・住宅資金特別控除の特例 | 65歳以上の親から20歳以上の子への贈与について、2500万円までは贈与税をかけずに相続時に一括精算する「相続時精算課税制度」の特例措置のひとつ。2005年12月末までに、住宅取得やリフォームに充てる資金を贈与する場合は、非課税枠を3500万円まで拡大する。また、65歳未満の親からの贈与にも適用される。ただし、550万円まで無税で贈与できる「住宅取得資金贈与の特例」と併用することはできない。 |
・住宅取得資金贈与の特例 | 住宅を購入するための資金として実の父母や祖父母から援助を受けた場合に、贈与税を軽減する制度のこと。正確には「住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例」。住宅取得資金のうち1500万円までの部分について「5分5乗方式」という方法で税額を計算することで、通常の贈与税より安くなる。なお、この特例を受けた翌年から4年間に贈与を受けた分については、通常の贈与税よりも高い税額になることに注意。 |
・住宅情報化配線 | 通信、放送、情報端末などの進化に対応できる配線方式のこと。「HII(Home Information Infrastructure)」ともいう。通信ネットワークや放送を通して住宅に入ってくる情報を一ヶ所の情報分電盤(マルチメディアポート)に集約し、そこから各部屋へ設置したマルチメディアコンセントに配信するしくみ。地上波やBS・CS放送のデジタル化、CATVの双方向化、光ケーブルなどに対応できる。 |
・住宅性能表示制度 | 住宅の基本的な性能の表示ルールを定めて、ユーザーに情報開示すると同時に、第三者機関が評価する制度。品確法に基づいて創設された。従来は、住宅メーカーや不動産会社が独自に性能を表示し、また項目もバラバラだったため、ユーザーが相互に比較することができなかった。これに対して、項目ごとに等級で表した日本住宅性能表示基準を設け、指定住宅性能評価機関が評価を行う。ただし性能表示と第三者機関の評価は任意。 |
・住宅性能保証制度 | 住宅の基本性能を長期間保証する制度。施工会社や売主の不動産会社などが倒産した場合でも、保険金で修繕費用が賄われる。新築住宅の基本構造部の10年保証として、(財)住宅保証機構や民間の指定住宅性能評価機関などが採用している。各機関の施工基準にしたがって性能評価と現場検査を受けた住宅に保証書が発行される。施工業者は各機関への事前登録が必要。住宅性能保証制度が適用された住宅は公庫の割増融資などが受けられる。 |
・住宅積立郵便貯金 | マイホームの新築や購入を目的に郵便局で一定の積立貯金をすると、住宅金融公庫(または沖縄振興開発金融公庫)融資を受ける時に、基本融資額に加えて郵貯加算額を使える制度。融資の限度額は積立金額の最高5倍以上になる。申し込むに当たって、申込者と取得する住宅の名義が同一であること、新規建築か購入かの区別をあらかじめ決めること、公庫融資を希望する年(積立終了の前年から2年後まで)を決めることなどの条件がある。 |
・住宅販売会社 | デベロッパーなどの売主から新築住宅の販売業務を受託し、販売代理としてユーザーに営業活動をする会社のこと。「○○住宅販売」「○○不動産販売」といった社名が多い。会社としては販売代理だけでなく仲介業務も兼ねており、取引を媒介する場合には仲介会社としての顔になる。また、住販会社が自ら中古住宅を購入して、リフォーム後に転売する業務を行っているケースもある。不動産の売買一般にかかわる業者ともいえる。 |
・住宅用自動消火装置 | 熱を感知すると消火用の薬剤を放出して自動的に火を消す装置。水で消火するスプリンクラーと違い、てんぷら油の火災にも効く。吸水用の配管が不要のため、既存の住宅にも簡単に設置することができる。居室の壁や天井に設置するタイプと、てんぷら油火災に備えてレンジフードなどに設置するタイプがある。装置の形状としては、感知器・放出口・薬剤の貯蔵容器が一体になったタイプと、放出口と貯蔵容器を導管でつないだ分離型がある。 |
・住宅ローン | 住宅を購入する資金として利用できるローンのこと。別荘やセカンドハウス向けは別の種類になる。大きく分けて民間融資と公的融資の2種類。民間融資は民間の金融機関による融資で、都市銀行、地方銀行、信託銀行、信用金庫、信用組合、生命保険会社などがある。公的融資は、住宅金融公庫、年金住宅融資、財形住宅融資、自治体融資などがある。その他に、民間企業の従業員向けの社内融資制度、公務員の共済組合による融資もある。 |
・住宅ローン控除 | マイホームを購入する時に住宅ローンを利用した場合に、所得税から一定額を控除するという制度(別表参照)。控除額は、居住した年によって変わる。2004年に居住した場合が最大500万円で、それ以降、居住した年が後になるにつれて減額され、2008年は160万円。適用対象には、新規建築や増改築も含む。正式な名称は「住宅借入金等特別控除」。一般に「住宅ローン控除」または「住宅ローン減税」といわれる。 |
・住宅ローン利子の所得控除制度 | 住宅ローンの利子を社会保険料などと同様に所得から控除できる制度。課税所得金額を引下げることで結果的に納税額を低くできる。米国では古くからの実績がある。日本の住宅ローン控除では新たに住宅を取得する人が一定期限内しか優遇を受けられないが、当制度はローン残高がある限り控除を受けられる。ローン残高が増えるほど減税効果も上がり、ローン返済負担軽減につながる。高額物件取得や二件目の買増しへの促進効果もある。 |
・収入合算 | 住宅融資を受ける際、融資を申し込む本人の年収だけでは収入基準に足りない場合、配偶者や父母、子供などの収入と合わせること。収入合算できる人の範囲や条件は金融機関によって異なる。 |
・収入合算 | 住宅ローンを申し込む際、所定の収入基準をクリアできない場合に同居予定者の収入を合計して計算できるしくみのこと。金融機関によって収入合算できる人の条件は異なる。たとえば住宅金融公庫では、次の要件を満たす同居予定者なら申込本人の月収と同額まで合算することができる。(A)申込本人の配偶者や父母・子どもなどの直系親族、婚約者、内縁関係の人、(B)連帯債務者になること、(C)借入申込時の年齢が70歳未満であること。 |
・収納率 | 住宅の総床面積に対する収納部分の面積の比率。収納率の計算対象に入れるのは、押入やクロゼットのように高さが180cm程度以上あるスペースで、つり戸棚・下足入れ・キッチンキャビネットなど高さの限られた部分的なスペースは含めないのが一般的。数値を比較する際は、計算の基準を統一する必要がある。収納率の目安は、一戸建ての場合で15%程度、面積の限られるマンションでも最低8%以上が望ましいといわれる。 |
・住民税 | 個人の所得に対して課税される都道府県民税と市区町村民税を合わせたものを、一般に「住民税」という。東京都23区の場合は、都民税と特別区民税の合計。仕組みは基本的に変わらない。支払う税金には均等割と所得割がある。均等割は所得金額にかかわらず一律に支払うもので、都道府県民税が1000円、市区町村民税は人口規模に応じて2000円〜3000円になる。所得割は所得金額に応じて、別表の通りに税率が決められている。 |
・重要事項説明 | 不動産の売買契約や賃貸借契約に先だって、不動産会社が取引相手や当事者に対して契約に関する重要な事柄を説明すること。省略して「重説」。不動産の取引についての専門知識がない一般消費者でも内容を十分に理解したうえで契約できるようにして、のちのちのトラブルを未然に防ぐために宅建業法で設けられた制度。宅建主任者が主任者証を提示したうえで、「重要事項説明書」を交付して説明することが法律で義務付けられている。 |
・重量鉄骨 | 厚さ6mm以上の構造用鋼材のこと。形鋼(かたこう)や鋼管がある。形鋼は、回転するロールに高温で金属塊を通して特定の断面に成形加工した「熱間圧延鋼材」。H形鋼、I形鋼、溝形鋼、山形鋼などがある。鋼管には円筒形と角形(ボックス)があり、角形鋼管は溶接して組み立てたものと圧延成形したものがある。H形鋼や角形鋼管は、大規模な高層ビルやマンションなどの柱や梁などに使われる。戸建て住宅でも重量鉄骨造がある。 |
・重量床衝撃音 | 床衝撃音のひとつ。子どもが飛び跳ねたり、いすを動かしたときなどに、「ドスン」「ガタン」と大きく下の階に伝わる鈍くて低い音。床の材質が固くて重いほど遮音効果は高くなる。マンションでは床のコンクリートスラブが厚いほど遮音性はよい(梁で囲まれたスラブ面積の広さも関係する)。遮音等級は「LH-45」「LH-50」(Hは「Heavy-Weight」を意味する)という形で表し、数値が少ないほうが遮音性能は高い。 |
・主寝室 | 夫婦の寝室のこと。マスターベッドルームともいう。家族によっては一番大きな部屋を子ども室にすることもあるが、設計上では、住宅の居室の中でもっとも広いスペースを採る部屋を主寝室として想定している。そのため最低限の広さの目安は、ナイトテーブルを挟んでシングルベッド2つを置いて周囲に余裕がある程度。その他、化粧台やチェストを置くことを考えると7〜8畳はほしい。公庫の努力規定では主寝室は10平方メートル(約6畳)以上。 |
・出資法 | 「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」。元本保証や元本を超える金額の払い戻しを示して不特定多数から出資金を集めることや、銀行など特定の法律で認められたもの以外による預かり金(預貯金・定期積金・社債等)を禁止した法律。浮き貸し(金融機関の役員や職員が地位を利用して第三者に金銭の貸し付け等を行うこと)の禁止、金銭貸借の媒介手数料や高金利の制限についても規定。違反した場合には罰則がある。 |
・出精値引き | 工事費の明細に時として使われる項目。普通、工事費を決めるには施主の希望や予算を聞き、工事や仕様に関する話し合いを行う。費目ごとの値引きなども検討し、最終的に双方納得した金額になる。ところが工事の段階で100万円で請けたのに115万円かかったときなどに「出精値引き15万円」という言い方をする。一般的には「頑張って値引きしました」といったニュアンス。これ以上値引きできないなど「抑え」の意味もある。 |
・取得時効 | 他人の所有しているものを自ら所有者のように占有して一定期間たった場合に、所有権の取得を認める制度。何の争いもなく公然と所有する意思を持って支配していれば、最初から自分のものだと信じている「善意無過失」の場合は10年、他人のものだと知っている場合でも20年で取得時効が完成する。占有開始後に第三者に賃貸しても占有は継続する。裁判上の明け渡し請求や、差押えなどの時効の中断事由がない限り、時効は成立する。 |
・守秘義務 | 宅建業者およびその使用人、その他の従業者は、正当な理由がなければ、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならず、宅地建物取引業を営まなくなった後、またはその使用人等でなくなった後でも同様とされている。宅建業者等は、宅地または建物といった依頼者の重要な財産について、相談を受けたり、取引に関与したりして他人の秘密を知る機会が多いので、業務上知った他人の秘密を守ることをとくに強く義務付けられている。「正当な理由」が認められる場合として、たとえば、指定流通機構における取引事例収集に協力するために成約報告をする場合等があげられる。 |
・巡回管理 | 総戸数が少ない小規模のマンションで採用される管理形態。1人の管理スタッフが複数のマンションを担当して巡回している。1つのマンションには週に2〜3回程度、1回につき数時間の滞在が多い。管理室で受け付け業務ができるスペースもないケースが多く、窓口が開いていることもまれ。常駐や通勤管理に比べて、行き届いた管理はあまり期待できない。設備の保守点検や定期清掃など、専門業者に頼む内容と変わらない。 |
・循環型社会形成推進基本法 | 「循環型社会」の構築を目的に、廃棄物を減らしてリサイクルを徹底させるための理念や方策などを定めた法律。事業者と市民の「排出者責任」を明確化し、製品が廃棄物になった後まで生産者自ら一定の責任を持つ「拡大生産者責任」の原則を確立。2010年度までに達成する目標値を盛りこんだ循環型社会形成推進基本計画を作成した。また、国や自治体が、リサイクル品やエコ製品を率先して使用する「グリーン購入」などを進めることを定めている。 |
・準工業地域 | 都市計画法で決められた工業系の用途地域のひとつ。火災や公害発生など、危険や環境悪化のおそれの少ない工業の利便を図る地域。省略して「準工」という。住宅や学校、病院その他生活利便施設も建築できる。準工エリアの工場跡地に比較的規模の大きなマンションが建つことも少なくない。可燃性ガスの製造や危険物の貯蔵施設は建築できるので、住宅地として考える場合は、周辺環境や工場の種類などをよくチェックすることが大切。 |
・竣工検査 | 工事がほぼ終了したとき、その施工状態をチェックするために行われる検査。まず施工会社や設計者・監理者などの工事責任者が行い、その後に施主が立ち会って検査を行うのが一般的。後者を「施主検査」と呼ぶことも。この時点で不具合が発見された場合は手直しを行い、その仕上がりを確認、清掃などが完了してから建物を施工者から施主に引き渡す。これとは別に、自治体の建築主事などが建築基準法に基づいて行うのが「完了検査」。 |
・準住居地域 | 都市計画法で決められた用途地域のひとつ。大きく分けると住居系の地域だが、主に道路沿いに指定したエリアで、自動車車庫や150平方メートル以内の自動車修理工場などの自動車関連施設との調和を図ることを目指している。パーキング付ファミリーレストランや大型物販店、ショールームなど、いわゆるロードサイドビジネスが展開するイメージ。また、客席部分の床面積の合計が200平方メートル未満の小劇場やミニシアターも建築できる。 |
・準耐火構造 | 鉄筋コンクリートなどの耐火構造に準じた耐火性能を持った構造のこと。準耐火性能とは、建物の壁、柱、梁、屋根などの主要な構造部分が、火災によって火や熱にさらされても30分から45分は変形したり、破壊されたりしない非損傷性などを持っていることを意味する。細かくは下表のような種類がある。省令準耐火構造は、いわゆる2×4工法やプレハブ工法など。住宅金融公庫の融資は構造によって最長返済期間が違う点に注意。 |
・準不燃材料 | 木毛セメント板や石膏ボードなど、建築基準法で定められた不燃材料に準じた性能を持つ材料のこと。通常の火災がおきたときに、加熱が始まってから10分間は燃焼したり変形したりしないこと、避難上で有害なガスや煙が発生しないことが必要。不燃材料に比べて準不燃材料の不燃性能はやや落ちる。住宅のキッチンや浴室などの火を使う場所の内装仕上げ材は、準不燃材料や不燃材料にしなければならないという内装制限がある。 |
・準防火地域 | 火災が発生した場合でも延焼速度を遅くし、市街地の防火に役立てることを目的として指定される地域。4階建て以上の建物はすべて耐火建築物としなければならないが、3階建て以下の場合は規模によって準耐火建築とすることもできる。準防火地域内に延べ床面積500平方メートル以下の木造3階建て住宅を建てるときは、外壁や軒裏を防火構造とするなど、主要構造部・開口部に関する一定の基準を満たさなくてはならない。 |
・書院 | 本格的な和風住宅で、床の間と縁側との間に設ける窓形式の座敷飾りのこと。古くは僧侶や貴族などの書斎や学問所、または造り付けの机を意味した。近世初期の武家屋敷の接客空間の建築様式である「書院造り」を省略して書院ともいう。書院の形式は、床の間の脇に出窓風に設けた「付け書院(出書院)」と、書院窓だけついた「平書院(略書院)」の2種類。床の間の中に入り込んだタイプを「取込み付書院(掛け込み書院)」という。 |
・省エネナビ | 消費電力の総量を金額に換算して表示するシステム。家庭用とオフィス用がある。ブレーカー(分電盤)内の配線にとりつけたCT(電流測定器)で電圧と電流をキャッチして消費電力を算出し、リアルタイムで表示器に無線で送信する。表示器では、測定器から送信されたデータを料金に換算して表示する。また、事前に設定した目標値と実際の使用量の割合を一目でわかるように表示して注意を促すことで、省エネ行動の目安にする。 |
・省エネラベリング制度 | 家電製品の省エネルギー性能の高さを比較検討しやすくするために設けられた制度。正式名称は「家庭用電気・電子機器の省エネルギー基準達成率の算出方法及び表示方法」。2000年8月にJIS規格として制定されている。省エネルギー基準の達成率を表示した省エネラベルを、製品本体、製品カタログ、店頭の下げ札などに表示する(任意)。電気代の違いなどが一目でわかる。対象になる家電製品は、2004年現在13品目。 |
・省エネラベル | 家電製品が省エネルギー基準をどのくらい達成しているかを示すマーク。「eマーク」ともいう。製品ごとに定められた省エネルギー基準の目標値に対する達成率、目標年度、エネルギー消費効率または年間消費電力量、「省エネ性マーク」が記載される。マークは、達成率が100%以上の場合は緑色、未達成(100%未満)の場合はオレンジ色で表示される。エネルギー消費効率は数値が大きいほど、年間消費電力量は数値が小さいほど電気代は安くなる。 |
・省エネルギー基準 | 省エネルギー法(1979年6月制定)に基づいて、住宅や建築物の省エネ対策について定めた基準のこと。断熱性や気密性などの性能基準を定めた「建築主の判断基準」と、建築するときの具体的な仕様を定めた「設計施工指針」がある。第一弾は80年制定。92年に基準を強化した「新省エネルギー基準」制定。さらに、99年には地域の気候特性に配慮して基準全体を合理化・詳細化した「次世代省エネルギー基準」に改正された。 |
・消火器 | 建物や室内外の初期消火のために使う持ち運び可能な消火器具の一つ。一般には、赤いタンク入りの粉末式消化器が多い。放射できる距離は10m以内で時間も15秒程度。放射時間が1分近くあり、より広範囲の消火が可能なタイプも登場している。この他、油火災など出火の性質によっては、泡原液と水を混合して放出することで発生する空気泡による窒息消火を行う泡式、液化炭酸ガスで消火と冷却を行う炭酸ガス式などもある。 |
・消火設備 | 建物内で発生した初期段階の火災を消化したり、近隣への延焼を防ぐ作業のための設備の総称。水槽、ポンプ、配水管、散水装置などが機能的に配置されたもの。一般的な屋内消火栓、スプリンクラーの他に、車庫や電気関連室など特殊な施設に用いられるものがある。たとえば、水噴霧消火設備、炭酸ガス(二酸化炭素)消火設備、泡消火設備、粉末消火設備、ハロゲン化物消火設備など。設置か所などについて消防法規の規制がある。 |
・消火栓 | 消火活動のために設置された放水か所のこと。消防法で設置基準などが決められている。建物内にあって、格納庫にホース・ノズル・消火栓弁が納められているものを「屋内消火栓」、公道や敷地内の上水道に直結して設けられているものを「屋外消火栓」という。後者を「取水消火栓」ともいい、消防隊や消防団が専用に使う。地上式と地下式があり、道路の交差点か分岐点、または周辺の状況に応じて100mから700m間隔で設置する。 |
・浄化槽 | 汚水や雑排水を浄化処理して放流するための施設のこと。公共下水道が整備されていない地域で設置される。水洗便所からの汚水だけを処理する単独処理浄化槽と、汚水に加えてそのほかの生活雑排水も同時に処理する合併処理浄化槽がある。新規に設置する場合は原則として合併式処理浄化槽の設置が義務づけられる。またそれぞれに家庭用の各戸タイプと、マンションなどの団地単位で使う集中浄化槽がある。年1〜2回の点検、清掃が必要。 |
・浄化槽法 | 浄化槽の製造や設置方法、保守点検、清掃などについて定めた法律。同法に基づいて浄化槽管理士、浄化槽設備士などの資格が定められている。2000年6月に改正され、浄化槽の定義から単独処理浄化槽を削除。水質汚染防止のために、未処理の雑排水の放流も禁止された。その結果、新規に設置する場合は合併式浄化槽のみとなる。ただし、おおむね7年以内に下水道が整備される予定処理区域では当面は単独処理浄化槽も可能。 |
・小規模生活単位型特養 | 新しいタイプの特別養護老人ホームで、居室は個室を基本にして、十室程度のグループを一つの生活単位として介護サービスを提供するタイプの新型特養。従来の特養では、居室が4人部屋などの複数人部屋で、数十人の集団生活が主流だった。2002年に設置運営基準が改正され「全室個室化・ユニットケア」の方針が出されてから導入された。各ユニットごとに食事スペースや浴室などがあるが、通常の特養よりも利用料は高めになる。 |
・小規模多機能ホーム | 民家や集会所などを利用した小規模な共同住宅に、デイサービス、ショートステイ、訪問介護などのいくつかの機能を持った拠点を組み合わせた高齢者向け施設のこと。老人保健施設や特養ホームなどの施設介護と、在宅介護の中間に位置づけられる第3類型とされる。診療所などの医療機関やグループホームを併設するケースもある。住み慣れた地域で自宅に住みながら在宅介護を受けつつ、いざというときに身近な場所で入居できる。 |
・小規模宅地の評価減 | 相続税の課税価格を計算するときに認められている特例のひとつ。故人と生計を一にしていた親族が相続した事業用や居住用の土地のうち、一定の面積以内の小規模宅地の評価額が低くなる制度。相続人が家業を引き継いだり、生前から同居していた家に定められた期間住み続けた場合など、特定の条件に合う場合は評価額を80%減額。つまり通常の20%の評価額に下がる。それ以外の宅地の場合には50%の減額になる。 |
・商業地域 | 都市計画法で決められた商業系の用途地域のひとつ。主に店舗や事務所などの利便を増進するために定められた地域。容積率が最大1000%で、20階建て以上の超高層ビルも建てられる。また、キャバレー、ダンスホールなどに加えて、個室付浴場、ストリップ劇場などの風俗営業店が唯一認められた用途地域。危険性や環境悪化のおそれが少なく、作業場の床面積が150平方メートル以内の工場も建築できる。住環境としてはあまり良くない。 |
・証券化 | 「証券化(セキュリタイゼーション)」とは、企業などが持っている個別の資産を担保にして有価証券を発行することによって資金調達をする手法のこと。ローン債権、リース債権、不動産などの資産が担保になり、その資産から発生する金銭(キャッシュフロー)を元利払いの根拠にする。企業が直接社債や株を発行するのと違い、特別目的事業体(SPV)などが間に介在するのがポイント。発行した商品を資産担保証券(ABS)という。 |
・証券化支援事業 | 住宅金融公庫が民間金融機関の融資する住宅ローン債権を買い取り、証券化してMBS(住宅モーゲージ担保証券)を投資家に発行する事業。金利変動リスクなどを投資家に転嫁することによって、民間でも長期固定金利の住宅ローンを扱いやすいように支援することが目的。公庫が2006年度末までに廃止されるのにともない、03年10月からスタートした。対象となる住宅ローンは、公庫融資に準じた一定の条件がある。 |
・障子 | 和風建築の空間の仕切りに使われる引き戸の一種。平安時代後期に登場した全面を和紙貼りにした明かり障子がその原型とされる。格子に組んだ木の枠に細い桟(組子)を組み、その片面に和紙を張ったもの。ガラスが登場するまでは採光ができる建具として建物の外回りに使われていた。組子によってさまざまなデザインがあり、荒組障子、横組障子、縦繁障子、横繁障子、変わり組障子など。ガラス入りや下部に腰板をつけた腰付き障子も。 |
・浄水器 | 水道水をろ過して浄化する装置。設置の方式には蛇口取り付け型、据え置き型などがあるが、キッチンをすっきり見せたい場合はシンク下に本体を設置するアンダーカウンター型が向いている。ろ過方式は活性炭とろ過膜を組み合わせたものが多く、最近は浄化した水を電気分解してアルカリイオン水を生成するものも。一定期間使うと不純物が付着するためカートリッジを交換する必要がある。据え置き型やビルトイン型で約1年が目安。 |
・使用貸借 | 借主が貸主から目的物を無償で借りて使用収益し、後にその目的物を貸主に返還する契約をいう(民法593条以下)。 借主は契約に返還時期の定めがあるときはその時期に、その定めがないときは契約に定めた目的に従い使用収益を終えたとき等に、 目的物を返還しなければならない。使用収益の対価を支払わない(無償)点において賃貸借と異なる。使用貸借には、その目的物が住宅やその敷地であっても、借地借家法(平成4年7月31日までの契約の場合は、旧借地法、旧借家法、旧建物保護法)は適用されない。親族や雇用等特殊な人的関係のある者の間で約束されるが、そういう人的関係の崩壊したときに法的紛争を生ずることが少なくない。 |
・使用貸借 | 賃料を支払わずに無償で借りて使用すること、またはその契約のこと。使用貸借の権利関係から生じる利用権を「使用借権」または「使用権」という。通常は、親兄弟間などで貸し借りしている特別な関係を前提にしている場合が多く、借り主を保護する借地借家法は適用されない。契約期間が終了したら貸主に正当事由があるなしにかかわらず明け渡さなければならない。契約の定めがない場合は、いつでも貸主は返還を請求できる。 |
・承諾料 | 借地権付建物の所有者が、自宅を売る場合や建て替え、増改築をする場合に地主から請求される可能性のあるお金のこと。借地権付で自宅を売る場合は、借地契約の名義書き換え料という名目で借地権価格の1割程度を支払うケースが多い。建て替えでは、建物の種類にもよるが、木造からRC造にするような場合は用途変更になり、売却と同様に承諾料は1割程度。増改築の場合は借地契約の内容によって1〜5%程度と変わってくる。 |
・常駐管理 | 管理形態の一つ。もっとも手厚い管理を期待できる。超高層や大規模団地では集中管理センターがあり、夜間も宿直がいて24時間体制で対応しているケースもある。それ以下の規模で、いわゆる管理員「住み込み」の場合、勤務時間は朝8時から夜6時までといった形で決まってはいるが、水漏れや設備の故障など、緊急時には時間外でも対応してくれるのが普通。ただし管理員自身で復旧するのではなく、専門業者に通報して来てもらう形。 |
・上棟式 | 軸組工事の最後に棟木を上げるときに行う儀式。「建前(たてまえ)」とも呼ぶ。工事の無事を祈念する、職人の儀式という意味あいを持ち、棟梁が取り仕切る。棟木を上げ終わった後、その上に丑寅(北東)に向けて「幣束(へいそく)」を立て、破魔矢を飾って魔除けとし、四隅の柱に酒・塩・米をまいて清める。式の後は「直会(なおらい)」と呼ばれる小宴席を設けてお酒をふるまったり、施主から工事関係者へ祝儀を渡すこともある。 |
・譲渡所得 | 資産を譲渡した時に得られた利益のこと。不動産などの売却(譲渡)価格そのものではなく、そこから一定の経費を差し引いた後に利益が残った場合に「譲渡所得」という。もし経費を引くとマイナスになる時は「譲渡損失」。譲渡所得には取得後の期間による長短の区分があり、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えていると長期譲渡所得、5年以内なら短期譲渡所得になる。譲渡所得から特別控除を除いた部分に課税される。 |
・譲渡税 | 税法上は「譲渡税」という名称はない。譲渡所得に対して所得税と住民税がかかるが、不動産の場合は通常の所得税・住民税とは別の分離課税になり、税率も違う。このため不動産の譲渡所得にかかわる税金として、一般に「譲渡税」または「譲渡所得税」と呼んでいる。また、別表のように長期譲渡所得と短期譲渡所得では課税方法が異なり、所有期間が短いほうが税率が高くなっている。なお、マイホームを売った時には各種の特例がある。 |
・譲渡損の繰り戻し還付制度 | 地価下落で含み損を抱えた住宅を買い替える場合の税制優遇制度の一種。住宅を売って出た損失を当年だけではなく翌年から3年間にわたって所得と相殺できる繰越控除制度はすでにあるが、相殺できる対象所得を売却した前年の所得にも広げ、損失が前年の所得より多ければ、すでに納めた所得税がまるまる戻ってくるようにする制度。これを自己資金として充当することができる。2002年度税制要望案に上るが、現状は見送られている。 |
・譲渡担保 | 債権保全のため、ある財産権を債権者に譲渡する形式の物的担保をいう。民法に規定はないが、取引の慣行から生まれ、判例学説によって認められた担保である。債務者乙は、債権者甲に譲渡担保に供した目的物をそのまま使用収益できるので、生産財等について多く設定されるが、不動産についても用いられ、登記原因を「譲渡担保」とすることも認められている。 債務が完済されると目的物の所有権は乙に復帰するが、弁済されないと甲はこれを第三者丙に売却し、または自己の所有とすることによって、優先弁済を受けることになる。ただし、甲は債権額を超える部分の精算をしなければならない。乙の他の債権者丁が目的物を差し押えたとき、甲は第三者異議の訴(民事執行法38条)ができる。 |
・譲渡担保 | 債権の担保のために、債務者が持っている財産の所有権をひとまず債権者に移転しておくこと。定められた時期までに債務を完済すれば、元の所有者である債務者に再び所有権が戻る。機械や設備などの動産についてよく利用されてきた。不動産も対象になる。債権者にとっては、抵当権の実行のような複雑な手続きがいらず、確実な担保となる。業者が売主の割賦販売や提携ローン付き販売では、対象物件を譲渡担保にすることは禁止。 |
・消費者契約法 | 悪質な事業者から消費者を保護する法律で、不当な勧誘によって消費者が事実を誤認したり、困惑した状況で結ばれた契約を取り消せる。適用対象は、消費者と事業者との間で締結されたすべての契約。事業者には、消費者に必要な情報を提供する努力義務を課している。事業者の不当行為の立証責任は消費者の側にあるため、事業者の言ったことなどの証拠を残しておく必要がある。双方の主張に争いがある場合は裁判で解決することになる。 |
・錠前 | 錠と鍵からなる締まり機構の総称。Lock set。錠=ロック(lock)は、ドアや引き戸などに取りつけて、鍵によって開け閉めする締まり金物。鍵=キー(key)は、手で持ち運ぶことができ、錠の穴に入れて施解錠する道具。棒鍵とシリンダーキーがある。錠前全体を指す場合、カタカナで「カギ」と書いて区別することが多い。カード式、テンキー式、ダイヤル式、バイオメトリクス式など鍵を使わない錠前も登場している。 |
・所在地 | 物件広告や売買契約書で使われる所在地は、登記簿に記載されている地番になっているのが普通。これを見て登記簿の内容をチェックできるようになっている。固定資産税の課税台帳を閲覧したり、納税証明等を取る場合にも所在地として登記地番が使われる。一方、郵便を出す場合や一般の地図を頼りに訪問する場合には、住居表示を見る。自分で現地をチェックする場合は、現地案内図をもらうか、住居表示を確認することが必要。 |
・食器洗い機 | 酵素を含み、泡立ちの少ない専用洗剤を用い、庫内にセットした食器にノズルから高温のお湯を吹き付けて洗浄する。すすぎののち、温風を吹き付けて乾燥させる機種と、余熱利用で乾かす機種がある。また、ノズルや食器ラックの形状、洗浄コース設定でも差別化が図られている。設置方法によって、システムキッチンへのビルトイン型、卓上型、据え置き型に分けられる。ビルトイン型では引き出し式、上開き式など開閉方式に特徴も。 |
・所得控除 | 所得税(住民税)を計算するときに、税法上で一定の項目ごとに認められた金額を課税所得から差し引くこと。ほぼ無条件で認められる基礎控除をはじめとして、配偶者控除や扶養控除などの人的控除、医療費控除や生命保険料控除など政策的な控除がある。会社員の場合、年末調整で控除の対象になる項目とならない項目がある。医療費控除や雑損控除などは、自分で確定申告をしないと控除を受けることができない。 |
・所得税 | 日本国内で個人が得た所得に対して課税される直接税。所得は10種類あり、課税方式は総合課税と分離課税がある。総合課税はほかの所得と合算した金額に対して課税されるもの。税率は下表の通り。分離課税は単独で課税されるもの。税率もそれぞれ違う。不動産取引にかかわるのは不動産所得と譲渡所得。譲渡所得については、土地建物の譲渡所得が分離課税、それ以外のゴルフ会員権や機械設備などの譲渡所得は総合課税になる。 |
・所得補償保険 | 会社員や自営業者が、病気やケガで仕事ができなくなった場合に、収入の減少を補償する保険。保険会社によっては専業主婦も加入できる。保険金は1か月の所得の範囲内で、月額10万円、15万円などとして加入し、就業不能期間から免責期間をのぞいた期間分が支払われる。保険期間(補償期間の上限)は通常1〜2年だが、2〜10年の長期所得補償保険、住宅ローン債務者を対象とした2〜30年のものなども発売されている。 |
・諸費用 | 建築費や購入代金の他にかかる費用のこと。大きく分けると税金関係、ローン関係、保険料関係、手数料関係がある。税金は印紙税、不動産取得税、登録免許税、固定資産税など。消費税は諸費用には含まないのが普通。ローン関係では事務手数料やローン保証料がある。保険は団体信用生命保険や火災保険、地震保険など。この他、登記の際に司法書士に支払う登記代行手数料、仲介会社を通して購入した場合の仲介手数料などがある。 |
・所有権移転登記 | 土地や中古住宅の売買、贈与・相続などによって所有権が移った時に行う登記。所有権移転登記をするには、売主と買主連名の登記申請書を提出する。添付書類は、売買契約書の写し、売主の権利証、印鑑証明書、買主の住所証明書など。相続の場合は戸籍謄本や遺産分割協議書が必要。売買による所有権移転登記の登録免許税は「固定資産税評価額×1%」(2005年度まで)。特定のマイホームの場合は税率が0.3%に軽減される(2006年度まで)。 |
・所有権保存登記 | 住宅を新築した場合などに、登記簿に建物の所有権を初めて登記すること。所有権保存登記の前提として、建物の位置・形状・構造などを表示する登記をして登記簿の表題部を作る。次いで所有権保存登記の申請をすると、登記簿の甲区に所有者として登記される。所有権保存登記をすると登録免許税がかかる。税額は「固定資産税評価額×0.2%」(2005年度まで)。特定のマイホームを取得した場合は税率が0.15%に軽減される(2006年度まで)。 |
・所有権留保 | 不動産の割賦販売で、物件を引き渡した後も未払い分の債権を担保するために、購入者に所有権を移転(登記)せずに売主の手元にとどめておくこと。業者が債務保証をして提携ローン方式で販売するケースでも行われることがある。宅建業法では、業者が売主の場合に、所有権留保をすることを禁止している。ただし、引き渡し後に業者が受け取った金額が代金の3分の1以内の場合や、買主が保証人を立てる見込みがない場合は例外。 |
・シリンダー錠 | 鍵を用いて施解錠する機構のひとつで、円筒形(cylinder)をしている。錠ケースに固定する外筒と、可動式の内筒が入れ子状になっており、タンブラー(障害子)の動きによって内筒が回転することで、カムを介してデッドボルトを動かして施解錠するしくみ。タンブラーの形状や作動原理によって、ピンタンブラー方式、ディスクタンブラー方式、ロータリーディスクタンブラー方式、マグネチックタンブラー方式などの種類がある。 |
・シルバーハウジング | バリアフリーに対応した公共賃貸住宅に、60歳以上の高齢者を対象に安否の確認や緊急時対応などのサービスを行う生活援助員(ライフサポートアドバイザー=LSA)を配置した「高齢者世話付き住宅」。1987年に厚生省と建設省(当時)が連携してモデル事業として始めたシルバーハウジング・プロジェクトに基づく。生活援助員が常駐するタイプと福祉施設が併設されているタイプがある。2003年現在で約1万7400戸。 |
・シルバーピア | 東京都の都営住宅の一種で、都内に3年以上居住している65歳以上の単身者や夫婦世帯を対象とした高齢者集合住宅。高齢者向けの設備仕様を備え、緊急時の対応などを行う生活協力員(ワーデン)を配置したもの。1987年度から実施。シルバーハウジング・プロジェクトの対象になるタイプと、それ以外の市区町村立タイプがある。福祉サービスは、隣接または併設した高齢者在宅サービスセンターなどを通じて必要に応じて受ける。 |
・シルバーマンション | マンションに高齢者向けのケアサービスを付加したものを一般にシルバーマンションと称するが、特に明確な定義はない。老人福祉法が規定する有料老人ホームに該当しない分譲型の老人ホームや、バリアフリー対応の住宅に提携業者の生活支援サービスや介護サービスを組み合わせたものをシルバーマンションと呼ぶこともある。単なる滞在型の宿泊施設の名前にもなっている。施設やサービスの内容、料金などをよく調べることが重要。 |
・真壁 | 住宅の壁の作り方の一種。柱や梁などを室内から見えるように露出させる手法のこと。構造材が、そのまま内容仕上げ材としての役割を果たす。構造材の通気はとれるが、壁に厚めの断熱材を入れるのは難しい。これに対して、ボード類や塗り壁で柱を覆ってしまい表面から見えなくする手法を「大壁(おおかべ)」といい、こちらのほうが最近の主流。ツーバイフォーやプレハブの和室では、大壁に化粧用の付け柱を張ったものがほとんど。 |
・新規賃料 | 借り手を新しく募集する際に設定する賃料のこと。新築の賃貸住宅をオープンした場合の契約賃料だけでなく、すでに賃貸経営を始めている場合で入居者が退去した時に再募集をかけるケースも新規賃料になる。不動産鑑定理論では、いわゆる礼金や権利金、保証金の運用益なども含まれる。賃料相場などの統計データは、新規賃料を集計したものが使われる。賃貸経営オーナーにとって、初期設定賃料と収支計画を検討するための重要な指標になる。 |
・シングルレバー混合水栓 | お湯と水をひとつの吐水口から出す水栓金具で、操作を1本のレバーで行うタイプ。レバーを左右に動かして湯温を、上下に動かして吐水・止水の操作と水量の調節を行う。片手で簡単に使え、調節も自在なので、とくにキッチン用の水栓金具として主流になっている。洗面用としてもよく用いられる。従来は操作方法がメーカーによって違うなどの混乱もみられたが、安全性などへの配慮から統一されるようになった。 |
・浸水 | 集中豪雨や洪水などで建物が水に浸かる災害のこと。低地で起きやすいが、台地の造成宅地でも窪地の排水施設が不備なときに発生する。河川の周辺で過去に浸水した経歴を地図に示した「浸水実績図」を各自治体で閲覧できる。また自治体によっては、過去の水害の実績・河川の整備状況・地形などから、これから浸水の危険がある範囲・予想される浸水深などを表した「浸水予想地域図」や「洪水ハザードマップ」を作成・公表している。 |
・人造石 | 天然石に似せた人工的に造った模造石のこと。花崗岩、大理石、石英、蛇紋岩などの砕石にセメントや砂、顔料を混ぜて塗装、または成形したもの。建築の仕上げ材としては、パーライト(人工の軽量骨材)を用いたカルチャードストーンやテラゾなどが知られる。セメントの代わりに合成樹脂で固めたタイプも増えている。また、合成樹脂に顔料を混ぜて石調の模様を出した人造大理石は、キッチンの天板や浴槽、洗面ボウルなどに使われる。 |
・人造大理石 | 天然石と樹脂を混ぜて成形した素材で、浴槽や洗面台、キッチンの天板などによく用いられる。見た目に美しく耐久性にもすぐれているが、柔らかい素材なので、傷がつきやすい、高熱に弱いなどの難点があるとされる。キッチンの天板に使われている場合には、熱い鍋を直接置かないようにするなど、若干の注意が必要だ。アクリル系とポリエステル系に大別され、アクリル系のほうが硬度や耐久性にすぐれており、やや高価。 |
・親族 | 常識的には親兄弟などの身寄り、親類の総称。民法では、6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族という範囲が決められている。血族は祖先を同じくする血のつながりのある関係。親子関係でつながる直系血族と、兄弟姉妹でつながる傍系血族がある。姻族は配偶者の血族で、いわゆる姻戚。親等とは、親族関係の親密度を表す等級のこと。親子は1親等、兄弟姉妹は2親等。また祖先に遡る関係を尊属、子孫に下る関係を卑属という。 |
・新築 | 不動産広告において新築として表示できるのは建築後1年未満、かつ、使用されたことがないものである。この場合の建築経過年数の起算点は、造作工事が完了した時点である。 |
・深夜電力 | 電気料金の契約種別のひとつで、午後11時から翌日の午前7時までの8時間に限り、電気温水器などの動力機器を利用する場合に適用できる契約。深夜から朝にかけては電力消費が少ない時間帯のため、通常の従量電灯契約に比べて3分の1から4分の1の割安な料金になる。マイコンで通電開始時間を制御するタイプの夜間蓄熱式機器については、さらに15%割り引ききがある。午前1時から午前6時までの5時間に限る第二深夜電力契約もある。 |
・水栓金具 | いわゆる「蛇口」のこと。商品は浴室用、キッチン用、洗面用と用途別にラインアップされている。お湯と水とを1つの吐水口から出す「混合水栓」が一般的。操作方式には、お湯と水それぞれのハンドルがついているツーハンドル、ひとつのレバーで湯水混合・水量調整を行うシングルレバーなどがある。他に、足元のスイッチで操作する「フットスイッチ」付きや、浴室用のシャワー付き水栓で、つかみやすい取っ手状ハンドルなどもある。 |
・水道負担金 | 分譲地や建売住宅・別荘などで、公共の上水道本管から対象になる区画の前面道路まで水道管を引くためにかかる費用のこと。「水道加入金」「給水分担金」ともいう。分譲地内の水道関係の整備費用を土地所有者で分担し合うという趣旨もある。すでに水道管が引き込んである場合でも、土地を購入した時点で一定の金額が割り当てられることが多い。地域によって十数万円から70〜80万円程度。都市部よりリゾート地のほうが高めになる。 |
・スウェーデン式サウンディング試験 | 戸建住宅向けに普及している簡易地盤調査の手法の1つ。省略してSS試験ともいう。方法は、ロッド(鉄管)の先端にスクリューポイントと呼ばれる円錐形の錐(きり)をつけて、地面に突き立て、段階的に100kgまでの鉄の重りを載せた時の沈み具合を測定する。ロッドが下がらない場合は、ハンドルをつけて回転させながら貫入させ、その回転数(Nsw)を25cmごとに最大10mまで記録する。特に浅い部分で精度の高いデータがとれる。 |
・スキップフロア | (1)半階ずつずらして配置されたフロアのこと。(2)マンションの場合、共用廊下の形式の一つ。エレベーター(EV)の停止階と通過する階(スキップ階)があり、停止しない階の住戸に行くには一旦上下の階でEVを降りて、階段で自分の階に上がり下がりする。スキップ階の住戸は階段を上下する手間はあるが、開放廊下がなく、両面バルコニーが可能になるので通風・採光、プライバシーの面で利点がある。EVの効率も良い。 |
・スケルトン賃貸 | マンションのような集合住宅の建物を、スケルトン(骨組)とインフィル(内装等)に分けて、スケルトン部分だけを賃貸する方式のこと。インフィルは、スケルトンの賃借人が自らの負担で造って所有する。転貸も可能。事業者が入居者に対して直接スケルトンを賃貸するケースと、公団・公社などの公的主体が民間事業者にスケルトン賃貸をして、民間事業者がインフィルを造って転貸するケース(スケルトン賃貸住宅制度)がある。 |
・スケルトン分譲 | マンションなどを、骨組みのコンクリートが露出したスケルトンの状態で分譲すること。購入者がインフィル(内装仕様)を造って住むか、または第三者に転貸することもできる。現状では、建築基準法などの規制や登記・融資の問題があるために、完全にスケルトンとインフィルの建設を区分して分譲することはむずかしい。購入予定者がインフィルの設計段階から参加する「オーダーメイド方式」の分譲マンションが、これに近い。 |
・筋かい | 建物の骨組みのひとつで、柱と梁で四角形に囲まれた軸組に対角線状に入った補強材のこと。地震や強風などによる横揺れの動き(水平力)に抵抗して、四角い軸組がひし形に歪むのを防ぐ。「筋交い」「筋違い」とも表記する。鋼棒や鉄骨で入れる場合は「ブレース」。木造軸組工法では、壁面に筋かいを入れることで地震に強い耐力壁にする。厚みのある筋かいほど強度が高い。また、斜めに一本だけ入れるよりもたすき掛けのほうが強い。 |
・スタンド | 置き型の照明器具。施工不要で、コンセントにプラグを差し込めば使えるので、既存の住宅で照明のイメージを変えたり、必要な場所に光を加えたいときに便利。支柱の低い、家具や机の上に置いて使うものを卓上スタンド(デスクスタンド)、床に置くタイプをフロアスタンドと呼ぶ。光源を高く支えるもののほか、床に近い位置に置くあんどんタイプなどがある。間接照明・半間接照明として使う天井や壁を照らすフロアスタンドも出ている。 |
・ステップ返済 | 初めの返済額を抑えて、段階的に返済額を上げていく返済方式。もともとは、当初5年間の返済額を軽くして6年目以降にアップする形で住宅金融公庫が導入。一時期「ゆとり返済」という名前で6年目に急激に返済額が上がるしくみに替えたが、批判が多く、2000年度に廃止された。現在は、銀行ローンなどで、返済額の上がるステップ数、金額などを選べる新しい形のステップ返済が登場している。確実に収入アップが見込める人向き。 |
・スパ | 英語で「SPA」、直訳すると鉱泉、温泉、湯治場などのこと。日本では、ジャグジーや温水プール、サウナ、各種の浴槽などを備え、水着で入浴する大型の温泉施設をスパと呼ぶことが多い。アメリカでは「ヘルススパ」ともいい、スポーツ、エステ、リラクゼーション、健康増進などの施設や食事療法によるダイエット・プログラムが整備された総合的なフィットネスリゾートを指す。必ずしも天然の温泉が併設されているとは限らない。 |
・スパイラル筋 | 鉄筋コンクリート造の建物の骨組みなどに使われる鉄筋のひとつで、継ぎ目なく螺旋状に巻かれたタイプ。柱や梁がずれて壊れるのを防ぐ、せん断補強用鉄筋などとして用いられる。柱の主筋に巻きつけてフックでとめる従来型のフープ(帯金)に比べて地震に強いとされる。フープを継ぎ目のないリング状にした溶接閉鎖型筋も強度は高いが、いちいち鉄線で主筋に結束する手間がかかる。スパイラルは結束が不要で工期が短い。 |
・スパムメール | サイトの宣伝や商品の広告、ビジネスの勧誘、さらには詐欺まがいの情報、「不幸の手紙」、そのほか善意を装ったデマのチェーンメールなど、不特定多数に対し送りつけられる電子メール。スパムメールの送信は、受信側の意図とは無関係に行われるため、一般に悪質な迷惑行為とされる。また、同内容のメールを一度に大量配信するため、インターネットの公共回線に負荷をかける点も問題視されている。ジャンクメールとも呼ばれる。 |
・スプリンクラー | 散水装置(sprinkler)。芝生などに自動的に水まきする設備という意味と、建物の火災を防ぐための「自動散水消化器」という意味がある。ヘッドの機能によって閉鎖型と開放型に分かれる。住宅用スプリンクラーは閉鎖型が基本で、さらに湿式タイプと予作動式タイプに分かれる。湿式タイプは、給水管とスプリンクラー配管が直結していて、常に水が充満しているもの。予作動式は、感知器の信号で配管内に水を導くもの。 |
・スプロール現象 | 都心部から郊外へ無秩序・無計画に開発が拡散していく現象。「sprawl」の原義は、不規則に広がること。大都市への人口集中や地価高騰が原因で起こる。もともと農地や林地だったエリアで地主等が土地を切り売りするため、利便性の高い幹線道路や鉄道沿いを中心に虫食い状にミニ開発が進む。道路・公園・上下水道などのインフラの整備が後追いになり、居住環境としては好ましくない。農地や自然環境の荒廃にもつながる。 |
・スペーサー | 鉄筋コンクリートの工事で、型枠の板と鉄筋との間隔、または鉄筋同士の間隔を、適切に保つために用いる。素材は、コンクリート製、鋼製、プラスチック製などがある。設置するか所によって「サイコロ(立方体・スラブ用)」、「うま(逆U字型・スラブ用)」、「ドーナツ(円形・壁用)」などの俗称がある。なお、水平の鉄筋の位置を保持するのは「バーサポート」、型枠の板同士の間隔を保持するのは「セパレータ」という。 |
・すみだ子育て支援マンション認定制度 | 建築・設備のハード面、管理運営などのソフト面の両面から子育てのしやすいプランニングや工夫がされているマンションを認定し、ファミリー世帯層が住みやすい環境を整備する制度。東京都墨田区が2003年1月から実施している。専有部分と共用部分それぞれの仕様、管理運営や付加価値サービスなど、細かい基準が定められている。一定面積以上のキッズルーム、プレイロットを整備する場合には、費用の一部を助成。 |
・スラブ | 床板のこと。一般的には、鉄筋コンクリート造の建築物の構造床を指し、梁や小梁と一体化して作られている。一般的にスラブの厚さは厚いほど遮音性が高くなり、ボイドスラブといった工法は遮音性も高く小梁もなくなる。 |
・スラブ | スラブ(slab)の原義は、材木の平板や石板のこと。マンションでは、鉄筋コンクリートの床版のことを床スラブという。建物の構造強度を確保するという点では、スラブ厚は12〜15cm程度でも安全。しかし、床を通して上下階に響く騒音を防いで遮音性を高めるために、床スラブは厚くて重くなる傾向にある。最近は18〜22cm程度が一般的になってきた。高級マンションになると25〜30cmを確保しているケースもある。 |
・スラブ面積 | 鉄筋コンクリート造のマンションの床などで、四隅を梁で囲まれたスラブの広さのこと。このスラブ面積が小さいほど、床がたわんだりすることに抵抗できる力=剛性が強い。逆にスラブ面積が大きいと剛性が下がり、盤振動が起きやすくなるため、重量床衝撃音に対する遮音性能は下がる。床スラブを厚くすることでも剛性は高まるが、あまり厚みを増やせない場合には、適度に小梁を入れることでスラブ面積を小さくすることが望ましい。 |
・スランプ試験 | 固まる前のコンクリートの軟らかさを表す用語を「スランプ」といい、そのレベルを調べる試験のこと。スランプコーンと呼ばれる上端のほうが狭い円筒形の容器にフレッシュコンクリートをつめて、コーンを真上に抜き取った時に、コンクリート頂部の高さが何cm下がったかを測定する。数値が大きいほど軟らかく、施工しやすい。一般に建築用は15〜18cmの軟らかめ、土木用は5〜12cmの硬めのコンクリートが使われる。 |
・スレート | 屋根葺(ふ)き材、外装材に使われる石質の薄い板のこと。自然石の粘板岩や頁岩(けつがん)を薄く剥いだ「天然スレート」と、石綿とセメントを練り混ぜて天然スレートの素材感に似せて成形した「石綿スレート」に分かれる。石綿=アスベストの微細な浮遊繊維は人体に有害なため現在は使用されず、工場加工のスレートは、無石綿スレート(繊維セメント)に切り替わりつつある。瓦に比べて軽量で耐久性があるため、和洋両方の住宅屋根に多用される。 |
・スロップシンク | キッチンのシンクとは別にユーティリティやバルコニーなどについている底の深い流しのこと。直訳すると「泥水(slop)用の流し」。システムキッチンや洗面化粧台では扱いにくいもの、たとえば汚れたスニーカーや床掃除用のモップなどを洗ったりするときに利用できる。室外やバルコニー側に設置して、植栽への水やり、ガーデニング用の道具やアウトドアグッズの洗浄などに利用できるようにしているケースもある。 |
・生活空間加算 | 住宅金融公庫の融資額割増制度の1つ。1998年秋、政府の緊急経済対策で「生活空間倍増緊急加算」が導入され、2001年度から「生活空間加算」に衣替えした。適用金利は基本融資額と同じ。三大都市圏で買う場合の加算額は、床面積75平方メートル超のマンションと125平方メートル超の一戸建てが500万円(マイホーム新築で土地融資がない場合は300万円)、三大都市圏以外は、同じく250万円(同150万円)となる。 |
・生活支援サービス | 在宅の高齢者が介護に頼らずに自立した生活ができるように支援するために、市町村が行う保健福祉サービスのひとつ。介護保険の円滑な実施を促進するために設けられた。配食サービス事業、外出支援サービス事業、寝具洗濯乾燥消毒サービス事業、軽度生活援助事業、住宅改修指導事業、訪問理美容サービス事業、グループリビング支援事業など、一定の生活支援事業に対しては、国が2分の1、都道府県が4分の1の助成を行う。 |
・生活リズムセンサー | ひとり暮らしの高齢者などの安否を確認する緊急通報システムの1つ。日常的に利用するトイレの扉、玄関ドアなどにセンサーを付けて、一定の時間がたっても動作が確認できない場合に、館内の管理センターや警備会社などに自動的に通報されるシステムになっている。高齢者の生活リズムの乱れを察知することが名前の由来。「生活反応感知センサー」ともいう。水道メーターや、ガスメーターに付けて使用の有無を感知するタイプもある。 |
・生活利便施設 | 住宅の周辺にある、生活に必要な諸々の施設のこと。周辺環境のチェックでは欠かせない。買い物関係では、商店街、スーパーなどの日常的商品を扱うところがまず第1に挙げられる。飲食店、クリーニング店、ペットショップ等も人によっては重要な要素。銀行や郵便局などの金融機関も生活利便施設に含めてもいい。最近はコンビニエンスストアがさまざまなサービスの拠点になっており、金融機関との提携もある。どのコンビニエンスストアかも確認が必要だ。 |
・生産緑地地区 | 市街化区域内農地のうち、将来にわたって適切に保全される緑地として指定された地区のこと。生産緑地地区に指定されると、大都市圏でも固定資産税の宅地並み課税がされず、農地課税になる。相続税の納税猶予・免除制度も適用される。指定されてから30年経過した場合、または主要な従事者が死亡したり重度の障害になった場合には、市区長に生産緑地の買い取り申し出ができ、その場合、譲渡所得の1500万円控除が受けられる。 |
・制振 | 強風や地震などによる振動エネルギーを機械的な装置をつけることでコントロールすること。建物内の壁面などにダンパーをつけたり、建物の最上階に重りをつけて振り子の原理で振動を抑える「パッシブ制振」と、コンピュータ制御による油圧式や電気式のアクチュエータ(駆動装置)で揺れを打ち消す方向に重りを動かすことで、より高い制振効果を得られる「アクティブ制振」がある。大地震に対応する場合は「制震」と表記される。 |
・正当事由 | 普通借地権契約や従来型の借家契約で、借り手が契約更新を求めた場合に、貸主側に正当事由がなければ更新を拒否できず、明け渡しを求められない。この正当事由とは、貸主側が自分で使用する必要性があり、なおかつ借り手・貸主双方の利害得失を比較考慮して、貸主に相当の事情があると認められる場合のこと。立退料の支払いも正当事由を補完する。定期借地権、定期借家契約には正当事由制度は適用されない。 |
・成約価格 | 新築と中古を問わず、取引が成立して売買契約書に記載される金額のこと。新築の販売価格や中古の売出価格とは必ずしも一致しないことが多い。不動産の相場を調べるときには、実際にいくらで取引されているかを示した成約価格が重要。これが取引事例になる。現在の日本では、プライバシーの問題等を理由に成約価格の情報があまりオープンになっていないため、適正な価格相場がどの水準にあるのか判断しにくい。 |
・セキュリティ・ポリシー | 企業の情報システムをセキュリティの観点からどのように管理・保護するかを規定する基本方針。企業がシステム上に保有する情報へのアクセス権限の設定や情報の暗号化によって、不正アクセスや機密漏洩などを防止するための方針を定めたり、システム障害やコンピュータウィルスによるデータやシステムの破壊といったトラブルに際しての対処方法などを明確化することで、情報セキュリティを適正に確保するための判断基準とする。 |
・設計委託契約 | 建物の設計を建築士に依頼するために結ぶ契約。委託する仕事の中に設計と施工監理を含む場合と、設計契約、監理契約を別々に結ぶ場合とがある。設計料は契約時、設計完了時、竣工時など、数回に分けて支払う。金額は施工監理を含めて工事費の10〜20%が一般的。施工監理を別の相手に依頼する場合は、設計料の30%程度が目安となる。ハウスメーカーなどに施工と併せて依頼する場合は、設計の契約は省略されることが多い。 |
・設計図書 | 工事内容を指示するための各種の書類を総称して「設計図書」と呼ぶ。平面図や立面図などのいわゆる「設計図」のほか、内外装などの下地・仕上げなどを記した「仕上げ表」、図面では表せない工事方法について指示する「仕様書」がある。図面の種類は建物の構造・規模によって異なるが、在来工法の住宅の場合は20〜30種類。住宅金融公庫の審査、建築確認申請に必要な図面、他種の図面で兼用できる図面など重要度には差がある。 |
・石膏ボード | 2層のボード用原紙の間に水で練った焼き石膏を流し込んで板状に固めたもの。「プラスターボード(Plaster Board)」ともいい、図面等ではPBと省略して表記する。防火・断熱・遮音性が高く、温度変化による変形率が小さい。軽量で施工性が良く、有毒ガスの発生もない。またコストパフォーマンスに優れるため、建築物の内外装下地などに幅広く使われる。市場に出ている9.5mm厚のPBは準不燃材料、12.5mm厚のPBは不燃材料(いずれもボード用原紙の厚さ0.6mm以下のものに限る)。 |
・絶対高さ制限 | 第1種および第2種低層住居専用地域には、隣地斜線制限がない代わりに建築物の絶対的な高さの制限がある。数値は10mまたは12mで、各地域の都市計画によって決められる。高さの限度が10mの地域では、一定以上の敷地面積があり、かつその敷地内に空地を有するなど、低層住宅地の環境を害する恐れがないと認められれば12mまでの緩和もある。一方、限度12mの地域では日影規制が強化されるなど総合的に運用される。 |
・接道義務 | 都市計画区域内において、建築物の敷地が建基法上の道路(自動車専用道路を除く)に2m以上接しなければならないことをいい、 建築物およびその敷地の利用の便宜、避難・消防活動の確保等を図るため、道路のないところに建築物が立ち並ぶのを防止することを目的としている。なお、大規模な建築物や多量の物資の出入りを伴う建築物などについては、 その用途または規模の特殊性に応じ、避難または通行の安全の目的を達成するため、 地方公共団体は、条例で敷地と道路の関係について必要な制限を付加することができることとされている(建基法43条)。 |
・接道義務 | 都市計画区域内にある建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなくてはならないと、建築基準法で定められている。これを「接道義務」という。つまり、接道義務を満たしていない土地には、住宅などの建物は建てられないということ。接道義務違反の土地は、物件広告をする際に「再建築不可」または「建築不可」と表示しなければならない。周囲に広い空き地があって安全上問題がない場合や二項道路などの例外もある。 |
・セットバック | 二項道路に接している敷地で、道路の境界線を後退させること。セットバックした部分は道路と見なされるので、その部分に建物を建築することはできない。また、建ぺい率・容積率の計算の基になる敷地面積に含めることも不可。セットバックが必要な面積が、敷地面積の10%以上ある場合は、物件広告を出すときに「要セットバック○平方メートル」といった形で表示する必要がある。すでに後退している場合は「セットバック済み」となる。 |
・セットパック | 建基法上の制限に基づき、道路の幅員を確保するために敷地の一部を道路部分として負担する場合の当該負担部分を一般にセットバック部分という。具体的には、幅員4m未満の道路に接する土地で建物を建築する場合、道路の中心線より水平に2m以上後退(セットバック)した位置に建築しなければならないこととされている。 |
・折半 | 50% |
・設備図 | 給排水、給湯、ガス、電気・電話、冷暖房などの設備の、配線・配管・機器や器具類の設置位置を平面図上に示した図面を総称して「設備図」という。一戸建て住宅の設計の場合、給排水と給湯・ガス設備をひとつの図面にまとめて「設備図」または「給排水設備図」と呼び、これと別に電気・電話・照明・換気扇などを示す図面をつくって「電気設備図」「配線図」「電気図」などと呼び分けることもある。 |
・セトリング | ログハウスで、壁の高さが徐々に低くなること。原因は、乾燥するにしたがって収縮したりねじれたりする天然の木を使うこと、また積み上げた大口径のログ材自身の荷重によって圧縮されるため。数cm以上もセトルダウンすることがあるため、窓やドアなどの開口部は高さの変化に対応できるように、あらかじめ沈んでもいい部分として断熱材などを詰め込んだ「セトリング・スペース」を設けておき、トリムボードで目隠しをする。 |
・ゼネコン | 総合工事業者、または総合建設請負業者を意味するゼネラル・コントラクター(general contractor)の略。建築一式を請け負う業者のことで、特定分野の専門工事をする建築業者=コンストラクター(constructor)とは違う。土木、道路舗装、建築など、あらゆる建設工事をカバーする売上高上位数社がスーパーゼネコン。住宅関連では、大小のマンションや大規模開発を手がけ、売主を兼ねることもある。 |
・セミオープンキッチン | キッチンとリビング・ダイニングの空間的つながりを保ちながらも、垂れ壁やキャビネットなどで一部を遮るプラン。オープンキッチンでは丸見えすぎて負担に感じる、でも孤立して作業をするのは避けたい、といった矛盾した要望を両立させることも可能だ。対面式のレイアウトにすれば、ダイニングにいる人と会話もできる。オープンキッチンに比べればにおいや音の遮断も比較的容易だ。ただ、採光と通風の確保には工夫が必要。 |
・セメント | 接合剤の総称。アスファルト、石灰、石膏、にかわ、ポルトランドセメントなどが含まれる。建築・土木工事用では、モルタルやコンクリートの主原料になる「ポルトランドセメント」を指すのが一般的。粘土と石灰石と酸化鉄などを焼成した後に、石膏を加えて微粉砕した、代表的な水硬性セメントで、普通・早強・耐硫酸塩・白色などの種類がある。なお、粘土質の石灰石を成分調整をせずに焼いて粉末にしたものを天然セメントという。 |
・セルロースファイバー | 新聞の古紙やパルプなどの木質繊維を原料に綿状に加工した材料。断熱材や吸音材として使われる。湿気を吸収したり放出したりする調湿機能があるため、通常は断熱材に必要な防湿層の施工が不要とされる。ただし、素材自体は燃えやすいため、防火対策と防カビ・防菌をかねたホウ素系(硼酸塩など)の薬品が添加されている。専用の吹き込み機を使って、天井や壁面などの隅々まですき間なく充てんされる。米国では断熱材のシェア第1位。 |
・善管注意義務 | 「善良なる管理者としての注意義務」の略。他人から借りたり預かったり、管理を任されているものを、職業上や社会通念上、客観的に期待される程度の注意をもって扱うことを求められること。民法で定められた義務の一つ。注意義務を怠って何らかの損害や損失を与えた場合は賠償責任を負う。「自己の財産におけるのと同一の注意をなす義務(自己同一注意義務)」よりも重いが、保管する対象によって注意すべき内容やレベルは異なる。 |
・専属専任媒介契約 | 媒介契約の一類型で、専任媒介契約に自己発見取引の禁止の特約(依頼者は、媒介を依頼した宅建業者が探索した相手方以外の者と、売買または交換の契約を締結することができない旨の特約)を付した契約である。 媒介契約を締結した業者は、 書面の交付義務、 価額等について意見を述べる際の根拠明示義務が課されているが、さらに専属専任媒介契約を締結した業者は、媒介契約の有効期間を3か月以内とすること、依頼者の申し出がないと期間の更新ができないこと等のほか、1週間に1回以上業務の処理状況について報告すること、媒介契約の締結日から5日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどが義務づけられている。 |
・専属専任媒介契約 | 専任媒介契約のバリエーションの一種で、依頼者は仲介を依頼した業者が見つけた相手方としか契約できない。自分で取引相手を見つけて契約することも制限される。契約期間は3か月以内。依頼者側の縛りがきつくなる代わりに仲介会社の義務も厳しくなる。契約を結んだ翌日から5日以内に指定流通機構(レインズ)に物件を登録、1週間に1回以上の文書による活動報告も義務づけ。媒介契約の中でもっとも速やかな成約が期待できる。 |
・センターコア | マンションの住戸内にあるキッチン、浴室、トイレ、洗面室などの水回り部分を設備コアと呼ぶ。これらの設備コアが、住戸の真ん中に集まったタイプをセンターコアという。1ヶ所に集めることで家事動線が短くなり、単純化する。また、給排水の縦管を節約することができるので建築コストを抑えられるメリットもある。最近の3LDKはセンターコア型が多い。浴室とキッチンを離れた位置にするタイプをダブルコアと呼ぶこともある。 |
・せん断補強筋 | 地震の揺れなどで建築部材がずれて切断される「せん断」による破壊を防ぐために使われる鉄筋。柱や梁のような建物の構造を支える軸が曲がらないようにする鉄筋を「主筋」といい、この主筋に巻きつけて束ねる形で「せん断補強筋」が使われる。柱の主筋に水平につけるものを「帯筋」や「フープ」、梁の主筋に垂直につけるものを「あばら筋」や「スターラップ」という。高強度せん断補強筋にスパイラル筋や溶接閉鎖型筋がある。 |
・セントラルクリーナー | 建物にビルトインされた掃除機器。モーター内蔵の動力部とゴミがたまるダストケース、配管をあらかじめ建物本体に組み込み、各部屋の差し込み口にホースを差し込んで、吸い込んだゴミを配管から本体に集める仕組み。掃除のときに掃除機本体を運ぶ必要がなく、排気もパイプを通じて行われるためほこりを舞い上げない。本体は20万円前後。取り入れる場合は本体や差し込み口を効率よく配置するため設計段階で計画することが必要だ。 |
・専任媒介契約 | 依頼者が他の宅建業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁止するもので、媒介契約の一形式。専任媒介契約が締結されると、依頼者は他の業者への依頼が禁止されるが、宅建業者は他の業者から依頼書を横取りされることがないため、取引の相手方を積極的に見つける努力が期待でき、依頼者としても成約までの期間が短縮できるなどのメリットがある。 宅建業法では 依頼者の利益が損なわれることのないよう、専任媒介契約の期間は3か月を超えることができないこと、依頼者の申し出によりこれを更新するときも更新のときから3か月を超えないこと、宅建業者は2週間に1回以上依頼者に業務の処理状況を報告すること、媒介契約締結の日から7日以内に指定流通機構に当該物件に関する情報を登録することなどを義務づけている(同法34条の2) なお、専任媒介契約を締結するときは、国土交通大臣の定める標準専任媒介契約約款によることが望ましいとされている。 |
・専任媒介契約 | 媒介契約の一種で、仲介を依頼できる業者が1社に限られる形式。自己発見取引は可能。依頼を受けた業者は、契約を結んだ翌日から7日以内に指定流通機構(レインズ)に登録して登録済み証を交付しなければならない。また、2週間に1回以上の割合で活動状況について文書で報告するなど、積極的に取引相手を見つける努力をするように義務づけられており、一般媒介契約に比べて熱心な活動が期待できる。有効期間は3か月以内。 |
・潜熱回収型給湯器 | 高効率のガス給湯器。従来のガス給湯器では熱効率が80%で残り20%は排気ロスになっていた。これに対して潜熱回収型給湯器は、排ガスに含まれる水蒸気が水に戻る時に放出される凝縮熱=潜熱を、耐腐食性に優れた金属製の二次熱交換機を用いて回収・再利用することで、熱効率を95%まで高めた(暖房機能を利用する場合は89%)。ガスの使用量も13%削減できる。潜熱を回収する方法を「コンデンシング技術」ともいう。 |
・洗面化粧台 | 洗面ボウルを組み込んだアンダーキャビネットと、鏡付きの収納キャビネットを一体に組み合わせた、ユニット型の洗面台。間口60〜100cm程度のものが主流。水ハネしにくく、小物の手洗いなどにも適している大型のボウルを用いたものが増えている。シャワーヘッドを取り付けた、洗髪にも使えるタイプも普及。ボウル下に足が入るようになっていて座って使えるもの、アンダーキャビネットに電気温水器を組み込んだものなどもある。 |
・専有部分 | マンション1棟の建物全体のうち、何階の何号室という形で区切られた室内空間のこと。法的には区分所有の対象になる部分で、普通の所有権と区別して区分所有権といわれている。壁紙や天井、床などの内装材、電気・電話の配線、給排水管のうち共用竪管までの横引き管などは専有部分に含まれる。コンクリートの骨組み自体(躯体)、外壁、戸境壁、柱などは共用部分。共用部分との違いに要注意。専有部分の面積を専有面積という。 |
・専有面積/専用面積 | 専有面積とは、分譲マンション等の区分建物の専有部分(区分所有権の目的となる建物の部分)の面積をいうが、この専有面積に共用部分のうち特定の部分を特定の区分所有者に専用的に使用させる部分(バルコニー・扉付きのポーチ状になった廊下の一部等の専用使用部分)の面積を加えた面積のことを専用面積ということがある。しかし、表示規約では専有面積と専用面積を分けて表示すべきこととし、専用面積による表示は禁止している。なお、専有面積の算出法には壁芯計算と、登記簿に記載される内法計算の2つがある。 |
・専用使用権 | マンション等の共用部分のうち、バルコニーや専用庭など特定の部分について、ある区分所有者が専用で使える権利のこと。専用使用権があるといっても、勝手にバルコニーを囲ってサンルームにしたり、専用庭に倉庫を作ったりすることは許されない。避難通路としても利用されるので、住民の共有財産として良好に管理する義務がある。他に専用使用権としては、玄関ドアや窓のサッシなどがある。駐車場は専用使用権の対象にならない。 |
・専用庭 | マンションの1階住戸だけについている前庭のこと。戸建て風のアウトドア空間として利用できる。専用庭使用料が設定されているのが普通。また、周囲を植栽で囲い、前面の通路から距離を取ることで、1階住戸のプライバシー保護の役割も果たしている。日常的な管理はその住戸の居住者が行うが、敷地は区分所有者全員の共有なので、勝手に駐車場にしたり、穴を掘ったり、高木を植えたりして作り替えることはできない。 |
・騒音等級 | 実際に室内で聞こえる騒音レベルをランクわけしたもの。「N値」(Indoor Noise LevelのN)で表す。数値が低いほど静か。物理的に遮音性能の同じ建物でも、周辺環境、各住戸の状況などによって異なる。騒音の発生源には、車や鉄道などの道路騒音や工場騒音(外部からの騒音)と、室内の冷暖房器などの設備機器やマンションのエレベーターや給排水ポンプなどの共用設備からの騒音(内部からの騒音)がある。 |
・騒音レベル | 音の大きさのことを「音圧レベル」(単位はデシベル=dB)というが、それを人間の聴覚に合わせて補正した評価尺度を「騒音レベル」という。騒音計のA特性 (聴覚補正特性の種類のひとつで、低音の感度を落としてある)を使って測定することから「A特性音圧レベル」ともいう。単位は「dBA」で、国際的に広く使われている。「0dBA」が人間の耳に聞こえる最低レベル、「120dBA」を超えると聴覚としての限界。 |
・総合設計制度 | 一定の規模以上の大きな敷地を対象に、公共的なオープンスペース(公開空地)を設けるなど良好な街づくりに貢献する建築プロジェクトに対して、容積率や高さの制限を緩和する制度。建築基準法第59条2に基づいて、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可する。地方自治体の都市計画マスタープランを実現するための誘導手法として活用されるケースが増えている。市街地住宅型、再開発方針等適合型など複数のタイプがある。 |
・造作買取請求権 | 賃貸借契約が終わった時に、借家人が家主に対して、建具、畳などの造作を時価で買い取らせることができる権利のこと。借家人が家主の合意を得て建物に対して付加した造作か、入居した時に家主から買い受けた造作が対象。商業ビルのテナントで内部を改装したものは、造作買取請求の対象になるかどうか議論が分かれる。契約時にその扱いを十分確認することが重要。なお、新借地借家法では当事者の特約で造作買取請求権を排除できる。 |
・相続 | 親子、親族関係のある人が亡くなって、その人の遺産を受け継ぐことを「相続」という。相続ではプラスの財産だけでなく、債権・債務(権利・義務)の一切を引き継ぐという点に注意したい。人が亡くなった時点で自動的に相続は開始してしまうので、相続人が特に意思表示をしないでも、遺産は承継される。また、複数の相続人がいる場合、相続は「共同相続」というかたちになり、遺産を分割するまでは全員で共有することになる。 |
・相続財産 | 故人が残した遺産のうち、相続できる財産として民法で認められたもの。現金、預貯金、株、不動産、書画骨董、債務など。相続は権利義務の一切を承継することになっているが、例外もある。お墓や仏壇、被相続人の持っていた資格などは相続できない(=非相続財産)。また、被相続人の財産とはいえないが、相続税を計算するときの課税対象に含まれる財産として、生命保険金や死亡退職金などがある。これを「みなし相続財産」という。 |
・相続時精算課税制度 | 贈与税と相続税を一体化させた制度で、平成15年度税制改正で導入された。65歳以上の親から満20歳以上の子(推定相続人)への贈与については、2500万円まではその時点で贈与税をかけずに、相続したときに、ほかの遺産とあわせて相続税として一括して精算する制度。2500万円を超えた分については、一律20%の贈与税が課税され、また、この制度を適用した後は、年間110万円の贈与税の基礎控除は利用できなくなる。 |
・相続税 | 亡くなった人の財産を相続したり、遺贈によって取得した人にかかる税金(国税)。相続税の計算方法はやや複雑。まず、相続した財産をすべて金銭に換算した課税価格から基礎控除を引く。次に、法定相続分で相続したものと仮定して相続税の総額を出す。最後に、この総額を実際に相続した金額に応じて各人の納税額に割り振るしくみ。課税価格が高いほど税率も高くなる超過累進税率が適用される。配偶者の税額軽減ほかの控除がある。 |
・相続税納税猶予制度 | 農家が相続税の支払いのために農地を部分的に手放すなど細分化されることを防ぎ、農業経営の維持を図るために創設された制度。具体的には、相続人が農業を継続することを条件に、20年間は農地評価額のうち農業投資価格を上回る部分にかかわる相続税の納税を猶予し、一定の条件を満たすと納税が免除される。納税猶予制度の適用を受けている「特例農地」の面積の20%超を譲渡転用したり、農業経営を辞めると猶予は停止される。 |
・相続税の延納制度 | 相続税の申告期限(=納期限)までに金銭で一括納付することが困難な場合に、分割払いで納税できる制度。年に1回、元金均等方式で支払う。相続税額が10万円超で、担保の提供があることが条件になる(延納税額が50万円未満、かつ延納期間が3年以下の場合は担保不要)。延納期間は原則5年以内、利子税は年6%。財産の中に不動産があるときは延納期間と利子税の割合が違う。申告期限までに、延納申請書を提出する必要がある。 |
・相続税評価額 | 相続税や贈与税を計算する基になる課税価格のこと。建物評価額は建物の固定資産税評価額と同じ。土地評価額は、路線価のある地域では路線価図に出ている1平方メートル単価に敷地面積を乗じて求められる(借地権の場合はさらに借地権割合を掛ける)。市街化調整区域内の宅地や農地、山林など路線価の設定されていない地域の場合は、土地の固定資産税評価額に一定の倍率(各税務署ごとに設定)を掛け合わせて算出する。これを倍率方式という。 |
・相続登記 | 相続が発生して、亡くなった人(被相続人)が所有している不動産を相続した場合に所有権移転登記をすること。手続きには、被相続人の戸籍謄本や遺言書など相続人を特定するための書類、遺産分割協議書など遺産の分配を証明するものが必要。相続登記には期限がなく、申請する義務もないが、速やかに登記を実行しておいたほうが賢明。登録免許税は相続税評価額の0.2%(2006年度末まで。本則の税率は0.4%)。 |
・相続人 | 相続が発生したときに、民法で遺産を受け継ぐことが認められている人を「(法定)相続人」という。死亡して遺産を残す人は「被相続人」。遺言で相続人以外の第三者に財産を与えることもできるが、その場合に遺産を受けた人は「受遺者」と呼ばれる。相続人の資格を持っているのは、被相続人の配偶者、子(直系卑属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹の4種類。また、複数の相続人がいる場合には、財産を相続する順位が決まっている。 |
・相続放棄 | 死亡した被相続人に借金が多くて遺産額がマイナスの場合などに、相続する権利を捨てること。相続放棄には期限があり、相続の開始があったことを知ってから3か月以内に、所轄の家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしなければならない。一度選択すると、原則として取り消せない。相続放棄をすると、プラス・マイナス一切の財産の相続権を失う。ただし、死亡保険金などの「みなし相続財産」は、相続放棄をしても受け取ることができる。 |
・相当隙間面積 | 住宅全体の隙間の総面積(平方センチメートル)を床面積(平方メートル)で割った値のことで、気密性能を表す指標のひとつ。次世代省エネルギー基準では、地域区分に応じた相当隙間面積が定められている。実際に建物にある隙間の面積を調べるのではなく、建物を密閉した状態で強制的に送風機で空気を押し込み、どれくらいの空気が逃げるかを測定する。漏気量から隙間面積を推定していることから「相当隙間面積」と呼ぶ。「C値」と略すこともある。 |
・贈与税 | 年間110万円を超える現金や不動産などの財産を、個人から無償でもらった時に課税される国税。この個人の中には、他人に限らず親子や夫婦間の贈与も含む。税額は、1年間にもらった財産を合計した価額から110万円の基礎控除を差し引いた課税価格に対して、超過累進税率(別表)を掛けて計算する。不動産の価格は相続税評価額。マイホームにかかわる贈与については「住宅取得資金贈与の特例」や「配偶者控除の特例」がある。 |
・贈与税の配偶者控除 | 贈与税の基礎控除は年間110万円。長年連れ添った夫婦の間で、住宅そのものや住宅取得資金の贈与があった場合には、通常の基礎控除に加えて最高2000万円までの配偶者控除が受けられる。適用条件は、(1)夫婦の婚姻期間が20年過ぎていること(2)自分が住むための居住用不動産とその取得資金の贈与であること(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与財産に居住し、その後も引き続き居住する見込みがあることなど。 |
・ソーラーシステム | 太陽の熱エネルギーを集熱部で吸収して、その熱を蓄熱槽にためて給湯や暖房などに活用するシステム。水式と空気式がある。前者は、集熱器内に不凍液を循環させて蓄熱槽のお湯と分離する「密閉式」と、利用する水を集熱器で循環させる「開放式」に分かれる。集熱器には平板式や真空管式などの種類がある。後者は、ガラス付き集熱面等で空気を温めて、送風機で温風を床下に送り蓄熱材(土間コンクリート等)を温めて暖房に利用する。 |
・ソーラー住宅 | 広義には、太陽熱や太陽光を活用したエネルギーを使う電気設備や冷暖房機器、給湯器などを組み込んだ住宅のこと。狭義には、財団法人建築環境・省エネルギー機構(IBEC)が認定した住宅を指す。大きく分けると、太陽熱給湯器や太陽光発電システムなどの機器を用いたアクティブソーラーと、特別な機器を使わずに建築設計上の工夫で太陽熱を蓄熱材などにためて、その輻射熱を暖房等に生かすパッシブソーラーがある。 |
・即日完売 | 新築マンションや建売住宅の販売で、購入申し込みを受け付けた初日のうちに全ての住戸が埋まること。省略して「即完(そっかん)」ともいう。先着順の場合は申し込みベース、抽選の場合は登録ベースでカウントする。即日完売したかどうかは、販売率と並んで売行き状況を示す指標のひとつになる。売主の営業力よりも物件自体の魅力の多さ、人気度が分かる。また、抽選倍率の高かった即完物件は、中古市場でも人気が続く傾向がある。 |
・底地 | 借地権の付着している宅地における当該宅地の所有権をいう。 つまり、宅地に建物の所有を目的とする地上権・賃借権を設定した場合の、 その宅地の所有権を指すものである。所有権に地上権・賃借権を設定すると地主に帰属する不完全所有権と借地人に帰属する借地権とに分かれるが、 この不完全所有権が底地である。したがって、底地の価格と借地権の価格とは密接に関連している。 |
・底地 | 借地権がついた宅地の所有権のこと。更地のように土地所有者が自由に利用したり転売したりできる完全所有権とは違い、借地権者との関係で利用上の制約を受けること、借地権者以外の第三者に底地だけを売却することが難しいことから不完全所有権といわれる。底地の価格は、更地の時価から借地権価格を差し引いた金額に相当する。また、相続税評価額も借地権割合を控除した価額になる。大都市圏の都心に近いほど評価は低い。 |
・外断熱 | 鉄筋コンクリート造やブロック造などの構造躯体の外側に断熱材を張る工法のこと(outside insulation)。蓄熱性を持つコンクリートの外壁が室内側に近い温度になり、外気の影響を受けにくいため、内断熱に比べて断熱性能が高い。構造躯体の温度変化が少ないので、劣化も進みにくい。木造住宅の場合、柱や梁などの骨組みの外側に断熱材を張る工法を「外張り断熱」といい、本来は外断熱とはいわない。 |
・ソフトダウン収納 | キッチンで調理をする場合、使いづらいのが上部の棚に収納した調理器具等の出し入れ。この使いづらい上部収納が、レバーを引くだけで目線の高さまで降りてくるもの。 |
・損益通算 | 所得税を計算するときに、不動産所得、事業所得、譲渡所得などから出た損失を、ほかの総合課税の所得(利益)から差し引いて総所得を出すこと。ただし、株の譲渡損失、競走馬などの、生活に通常必要でない資産から生じた所得が赤字になった場合は原則としてほかの所得と損益通算することはできない。土地・建物等の譲渡損失の損益通算も、2004年度税制改正で廃止された。損失が出た場合、同じ種類の所得の中で通算することは可能。 |
・人研ぎ仕上げ | 「人造石塗り研ぎ出し仕上げ」の略。セメントに大理石や蛇紋岩などの種石と顔料を練り混ぜて塗り、硬化後にグラインダーで研磨して表面を滑らかに仕上げたもの。砥石を使って手で研ぐ方式もある。天然の大理石などの代用品として使われる。通常、種石は5mm未満の砕石が使われるが、大きな大理石粒を種石に使ったものは「テラゾ塗り」と呼ぶ。板状に成形した人研ぎ石を台所の流し台に使ったものを「人研ぎ流し」という。 |
・空錠 | 開き戸が風圧などで開かないようにドア枠に固定するための空締まり機構を持った錠。Passage lock。ドアノブ(握り玉)やレバーハンドルなどの把手を回転させることでラッチボルトが出入りして開閉できる。戸締まりの必要がない室内の間仕切り建具に用いられる。室内側の押しボタンなどで把手を一時的に固定する簡単なロックが付き、非常時には室外側からも解錠できる非常開装置付き空錠を「浴室錠」や「トイレ錠」という。 |