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 小切手や代理とは
 
取引ガイド
 
 Step 6-B.「売買契約を交わす」
(1) 小切手は現金げんきんと同等の意味を持つ有価証券の一種です。一般的な小切手は、金融機関に当座預金口座を開設することによって使用できるようになります。
 1.会社や自営業者が営業上の支払に利用するだけではなく、個人でも自動車の購入代金や割賦販売の支払に
  「パーソナルチェック(個人用の小切手)」として利用できます。
  ただし、当座預金の解説に当っては、一定の信用調査の上、金融機関との間で当座勘定取引契約を結ばなけれ
  ばならない繁雑さがあります。
 2.一方、銀行振出小切手は、金融機関に使用する金額を預託することによって振り出してもらう小切手です。
  銀行振出小切手は一般の小切手と異なって、あらかじめ額面金額が預託されていますので、必ず決済され、
  振出に当っても面倒な信用調査や契約は必要ありません。
  不動産取引に当っては、持ち運び等の安全性、金額確認の利便性の両面で銀行振出し小切手の支払が有効な
  手段として多く用いられます。
 
(2) 小切手の利点
 1.現金の盗難、紛失を未然に防ぐ。
 2.貨幣の数え間違いを防ぎ、数える手間を省く。
 3.現金の持ち運びの手間を省く。
 4.現金持ち運びの安全性を図る。
 
(3) 小切手の線引き
[ 一般線引き ]
 1.小切手の表面に2本の平行線を入れる。
 2.安全性を得るために持参人は自分が口座を持っている金融機関にしか小切手を持ち込み、現金化することがで
  きない。
[ 特定線引き ]
 1.2本の平行線の間に特定の金融機関名を入れる。
 2.支払がその金融機関に限られ、口座を持つ持参人にのみ支払う。
 
(4) 小切手の取扱状の注意
 1.売主、買主とも万一の場合に備えて小切手の番号、金額、振出日、振出人等の記載事項は必ず控えておく。
 2.不動産取引においては、金額が大きくなるのでできるだけ金融機関発行の小切手を使用し、持参人を特定する
  ことが望ましい。(小切手に持参人払い、支払人を記載。)
 3.小切手の所持者は、10日以内に金融機関に持ち込み現金化しなければならない。
 
(5) 不動産売買は代理人によってでも契約を締結することができます。しかしその場合には、権限の有無を証明するために少なくとも次の書類等が必要になります。
 1.契約者本人自署押印(実印)の委任状
 2.契約者本人の印鑑証明書(法人の場合はさらに資格証明書)
 3.代理人の印鑑証明書と実印
 委任状には代理人の権限が明確に記載されていなければなりません。通常、契約の締結行為と金銭の授受に関する一切の行為を委任しますので、十分に信頼できる人を代理人に立てなければなりません。また、不動産を共有する場合に、その共有者(配偶者や親子でも)が契約等に出席できない時には代理人の手続きが必要になります。
 
(6) 売買契約書等の正式文書では、署名押印という言葉をよく聞きます。
 1.署名とは本人が自分の氏名を自ら手書きで書くことを言い、法的には署名だけの場合も署名と押印した場合も
  効力に違いはありません。
 2.欧米では印鑑を押す習慣がないので署名=サインがよく使われます。しかし、わが国では古くから印鑑を押す
  習慣があり、署名より押印のほうが重視されているのが現実です。
 3.契約等では、印鑑証明書の提出と実印の押印、本人の署名をもって本人が確かに意志をもって行ったことが
  証明されます。
 4.また、実印等の押印は署名と同様に本人が自ら押さなければ効力がありません。万一の場合、本人が自ら押印
  していないと契約等の意志があったかどうかを問題にされることがあります。
 5.また、記名という方法は印刷や他人の手書き・ゴム印等によって書かれたもので、本人の押印がなければ効力
  を発しません。したがって、本人の署名・押印をすることが一般的です。